好漁場失ったと嘆く石垣島の漁師


 「魚釣島というぐらいだからね。尖閣諸島周辺は本当によい漁場」

「尖閣で漁ができなくなった」と嘆く漁師の高橋拓也氏(左)と具志堅用治氏(右)(写真・WEDGE)
「尖閣で漁ができなくなった」と嘆く漁師の高橋拓也氏(左)と具志堅用治氏(右)(写真・WEDGE)
 石垣島出身の元プロボクサー・具志堅用高氏の従兄弟である具志堅用治氏が会長を務める八重山鮪船主会のメンバーは口を揃えてそう話す。この船主会に属するメンバーは尖閣諸島周辺でマグロやカツオなどを獲っていたが、「2012年の尖閣諸島国有化からいよいよ周辺海域に近付けなくなった。中国船とのトラブルを恐れてか、海上保安庁に止められる」と嘆く。今でも同海域で漁をする権利は有するが、実態として好漁場を失ったかたちだ。

 「尖閣周辺に限らず、石垣島の南側でも国籍不明の不審船はよく見かける。夜なのに電気がまったくついていなかったりする」という。リゾート地のイメージが強い石垣島だが、あらためて国境防衛の最前線の地であることを感じさせる。

尖閣諸島周辺海域の警備強化のため、石垣島に停泊する海保の巡視船は増えている(写真・WEDGE)
尖閣諸島周辺海域の警備強化のため、石垣島に停泊する海保の巡視船は増えている(写真・WEDGE)
 漁港の隣に目を向けると、海上保安庁の巡視船が所狭しと並んでいた。尖閣諸島を巡る摩擦が本格化して以来、石垣島に常駐する巡視船が増え、停泊スペースが不足したことから、桟橋も新たに建設された。10年に中国漁船に衝突された「みずき」の姿も見えた。
中国漁船に衝突された「みずき(海洋巡視艇)」(写真・WEDGE)
中国漁船に衝突された「みずき(海洋巡視艇)」(写真・WEDGE)
 この石垣島も与那国島同様、すんなり自衛隊基地が配備されることはない。基地予定地といわれるエリアに隣接する開南、於茂登、嵩田の3地区は、今年に入ってそれぞれ総会を開き、反対の立場を表明した。