基地予定地を通る県道87号線を車で走っていると「自衛隊配備断固反対」の看板が目に飛び込んできたため、車を止めて、パイナップル畑で作業をしていた川平重治氏に話を聞いた。川平氏は開南地区の前自治会長で反対運動を展開する中心人物の一人である。

 「反対の最大の理由は騒音。ここは市街地から離れた静かな集落だが、基地ができるとヘリやトラックの音に悩まされることになる。徹底的に戦っていく」と鼻息は荒い。

 「反対運動を行った経験はないので手探り状態だが、地元の3地区以外の集落や他の組織とも連携していく」と続ける。始まったばかりの反対運動だが、今後島外からの「応援」も加わり、戦いが本格化していくことが予想される。地元紙・八重山日報の仲新城誠編集長も「基地誘致の是非が2年後の市長選の争点になる可能性は高い」と指摘する。
左/石垣島の基地予定地といわれる場所にはサトウキビ畑が広がっていた 右/自衛隊基地反対の看板(写真・WEDGE)
左/石垣島の基地予定地といわれる場所にはサトウキビ畑が広がっていた 右/自衛隊基地反対の看板(写真・WEDGE)
 膨張する中国に対抗するために必要な南西シフトだが、その実現は容易ではない。与那国島の反対派議員が話していたように、与那国島における「失敗」の教訓をいかして、反対派は次なる戦いを挑もうとしている。

 石垣島の人口は4万9000人。1700人の与那国島とは文字通りケタ違いで、利害関係者も多いことから話が簡単にまとまることはないだろう。与那国島で発生した混乱が、スケールアップして石垣島に上陸する──。そんな現実が訪れようとしている。