仲村覚(ジャーナリスト、沖縄対策本部)

知事早期訪米を煽る沖縄メディア


 11月8日に投開票の行われた米国大統領選挙において、トランプ氏が当選を果たした。翌9日、沖縄県の翁長雄志知事は、記者会見でトランプ氏への祝電を送ることを明らかにした。総理大臣でも外務大臣でもない一つの県の首長が他国の国家元首へ祝電を打つことはおそらく前代未聞であろう。祝電の送付は事務方からの提案ではなく、翁長氏からの指示とのことだ。
9月16日、米軍普天間飛行場の移設を巡る訴訟で沖縄県側が敗訴し、沖縄県庁で記者会見する翁長雄志・沖縄県知事
9月16日、米軍普天間飛行場の移設を巡る訴訟で沖縄県側が敗訴し、沖縄県庁で記者会見する翁長雄志・沖縄県知事
 翁長氏は記者会見で、「新しい発想の政治を考えており、沖縄の基地問題にどう対応するか注視したい。(日本政府は)『辺野古が唯一』と、(沖縄県側が)ありとあらゆる手段を駆使して造らせないと、(政府と県が)こう着状態。私どもの意見を聞いていただき、どのように判断するか沖縄側としては期待したい」と述べた。

 さらに祝電には、「大統領就任後は、米国と沖縄との関係について話し合う機会をつくっていただきたい」と面談の申し込みも行い、訪米時期はトランプ氏が2017年1月20日に大統領に就任し、関係閣僚が決まる2月ごろとしている。

 今後の日本の安全保障政策の成否は、沖縄県石垣島、宮古島への自衛隊の早期増強配備と日米同盟強化にかかっているといっても過言ではない。そのうちのひとつ、日米同盟強化はひとえにトランプ大統領との関係構築にかかっている。

 トランプ氏は選挙期間中に在日米軍の撤退も口にしたため、沖縄からの米軍基地の撤去を唱えている勢力にとっては、トランプ大統領の誕生が大きなチャンスと捉えることも出来る。その代表のひとりが翁長氏で、祝電まで送り面談まで申込んだのだ。

 仮に安倍総理がトランプ氏と安全保障政策で足並みを揃える事に成功したとしても翁長氏が背後から妨害をする可能性は大きい。よって、日本政府は今後の翁長氏のトランプ氏への対応を把握して適切に処理しすることが重要になってくる。