おもしろいことに、いま問題の組織委員会も拠点を置いているのは虎ノ門である(虎ノ門ヒルズ)。組織委員会は国ではなく、東京都の外郭団体。少なくない報酬・待遇で大物政治家や官僚に役職を与えて回してきたのがこの団体である。国からお金を引き出し、大きな事業を行えば、それだけで特殊法人は「何かやった」という体裁になる。それが天下りが集う「虎ノ門」に長年潜む病理だった。今回の東京五輪問題も、結局は似た仕組みのもとで問題が放置されてきたのではなかったか。
東京五輪の組織委員会が拠点を置く虎ノ門ヒルズ
東京五輪の組織委員会が拠点を置く虎ノ門ヒルズ
 名誉職の人たちは、「よかれ」と思って決裁をしてきたのかもしれない。だが、それは本当に都民や国民の目線に立っていただろうか。都民への調査も行わず、大きな事業案ばかり膨らませて「都民のため」と言われても、何を根拠にそう信じていいのかもわからない。「虎ノ門」の人たちは、都よりも都民を説得できる根拠や論理をまずは提示すべきだろう。
 
 最後にもうひとつ、気になっていることがある。同じく紛糾している、豊洲市場との関連だ。虎ノ門ヒルズができ、臨海の五輪会場へ抜けるという環状2号線ができたのは2014年3月。この道はかつて進駐軍のダグラス・マッカーサーが命じて建設が始まったが、用地取得で難航し、途中で建設が中断されていた。だが、晴れて「マッカーサー道路」が開通したことで、築地市場の移転計画と連動し、その道はさらに豊洲へとつながろうとしている。

 この道路の建設は2005年に着手されたものだが、2001年の12月の豊洲市場への移転決定といい、今回の東京五輪の決定といい、臨海部の再開発もじつにうまく連動していることに気づく。実際、築地市場が豊洲に移転しないことには、このマッカーサー道路も開通せず、再開発もうまく回らない。その意味で、ゼネコンにとってはどちらも巨大なプロジェクトとして、五輪も豊洲もつながっているのである。

 いったい誰がこの絵を描いてきたのだろう。こうすることで誰が儲かるのだろう。そう考えると、想像は膨らむばかりなのである。