田中紀子(ギャンブル依存症を考える会代表)

 昨日、突然飛び込んできた衝撃的なニュース。歌手のASKAさんが、執行猶予中に薬物を再使用したとのこと。まだ容疑の段階であり、ASKAさんは強く否認しているとのことですので、詳細は不明ですが、一連のマスコミ報道には強い違和感を抱いております。
11月28日、ASKA元被告が覚醒剤を使用した疑いが強まったとして、覚せい剤取締法違反(使用)の疑いで警察が逮捕状を請求、自宅には多くの報道陣が詰めかけた(春名中撮影)
11月28日、ASKA元被告が覚醒剤を使用した疑いが強まったとして、覚せい剤取締法違反(使用)の疑いで警察が逮捕状を請求、自宅には多くの報道陣が詰めかけた(春名中撮影)
 まず、ASKAさんが自分で110番したことについて、あるTV番組などでは「異例中の異例」などと報道していましたが、これは覚せい剤事犯では、非常によくあるケースです。ASKAさんの再使用の真偽はまだ定かではありませんが、一般論として、覚せい剤事犯が110番通報する多くは、以下のようなパターンがあります。

 まず、覚せい剤乱用の幻覚妄想から、「警察に追われている」という考えにとりつかれるパターンです。例えば、ある経験者の話によると、「警察から射殺命令が出された」と思いこんでしまったそうです。そこで、警察に行って、「俺、なんで射殺命令が出されているんですか?」と、聞きに行ったそうです。

 また、ある人は「俺は、覚せい剤しかやってないのに、なんで追われてるんですか?」と文句を言いに行ったそうです。すると警察官の方は、薬物事犯に慣れていますから、「そうか、大変だね。じゃあまず、おしっことろうか・・・」ということになって、尿検査され逮捕されるというパターンがあります。

 またもう一つよくあるタイプは、「誰かに追われている」「盗聴されている」「見張られている」だから助けて欲しい・・・と言って警察に駆け込む場合です。いずれも薬物の幻覚妄想ですから、挙動不審な点があり、尿検査され逮捕に至ります。

 いずれも2日位経って、薬が切れると「しまった!」と思うそうですが、その時は既に逮捕されています。