カジノを解禁する統合型リゾート(IR)推進法案が、いよいよ今国会で成立する公算が大きくなった。カジノ合法化に際して最も懸念されているのは、「ギャンブル依存症」に陥る患者がますます増え、治安の悪化も含めて深刻な社会問題に発展する恐れがあるということだ。

 そもそもギャンブル依存症とはどのような疾患で、適切な治療法はあるのだろうか。『依存症のすべて』著者で、行動薬理学に詳しい廣中直行氏(医学博士)に聞いた。
──ギャンブル依存症の定義とは?

廣中:薬物依存などと同じく「ギャンブルをやめたくてもやめられない」のが大まかな定義といえます。具体的にギャンブルにのめり込むる頻度や使う金額の枠が決まっているわけではなく、健康が損なわれているとか苦痛があるといった主観的な問題が重要です。

──きちんとした診断基準はあるのか。

廣中:今日ギャンブル障害と言われている問題は「病的賭博」と言われ、1980年から精神疾患とされています。

 精神医学の診断基準に照らして依存症の疑いが強い人は、ギャンブルのために学業や仕事、家庭生活がおろそかになったとか、問題を隠すためにウソをつくようなケースです。その状況は、家出や失職、犯罪、自殺といった深刻なエピソードの数々からも知られています。

 私の意見としては、ギャンブルのために借金をしたことがあるかどうかが、楽しみの範囲と依存症のひとつの境目ではないかと思います。