太陽光や風力など再生可能エネルギーで発電した電力の買い取りを大手電力会社に義務づけた「固定価格買い取り制度」が1日、導入2年目に入った。この1年間で運転を始めた再生エネルギーの発電施設は国内最大クラスの原発1基分に相当し、制度導入が追い風になった。一方で、買い取り価格が高めに設定された太陽光発電に集中し、電気代への転嫁を通じて国民負担が増える問題点が鮮明になっている。

原発1基分相当


 経済産業省資源エネルギー庁によると、平成24年度の国内の総発電量に占める再生エネルギー(水力を除く)の割合は、前年度から0・2ポイント増え、1・6%になった。水力も含めると、10・0%となり、買い取り制度を先行導入したスペイン(33・5%)やドイツ(19・0%)を下回るものの、米国(10・9%)と肩を並べる水準だ。

 経産省の総合資源エネルギー調査会では、委員から「買い取り制度の効果が非常にはっきり出ている」など、評価の声が上がる。

 買い取り制度導入後、今年2月末までに運転を始めた再生エネルギーの発電施設は出力計135・2万キロワットで、このうち93%が太陽光だ。他の再生エネルギーに比べ、施設の設置が容易なうえに、買い取り価格が割高で十分な利益を確保できることから、大規模太陽光発電所(メガソーラー)が急増した。

 太陽光の買い取り価格は、25年度に出力10キロワット以上の太陽光で1キロワット時当たり37・8円と前年度から1割引き下げられた。それでも風力の約2倍の高値とあって、太陽光は今後も拡大する見通しだ。

独では見直しも


 ただ、太陽光が増えることに伴う弊害もある。電力会社が再生エネルギーによる電力を買い取る費用は、家計や企業が支払う毎月の電気代に上乗せされる。標準的な電力使用量の家庭で、25年度の上乗せ額は全国平均120円と前年度比4割弱増えた。割安な風力の普及が遅れれば、電力会社の買い取り額の増額を通じて国民負担が増大する可能性もある。

 普及に伴い、家庭向け販売などのトラブルも増えている。国民生活センターによると、22年度の相談件数は2690件だったが、東京電力福島第1原発事故などで再生エネルギーへの関心が高まった23年度は3934件に急増。固定価格買い取り制度が導入された24年度はさらに増え4407件となった。

 一方、買い取り制度の導入から10年以上経過したドイツでは、電気代が導入当時の約2倍となり制度の見直しを迫られている。今年に入って、電気代の上乗せ額の引き上げを2年間凍結する方針を発表した。東京工業大の柏木孝夫特命教授は「太陽光以外の再生エネルギーを伸ばすなど、国民負担を抑える工夫が必要だ」と指摘している。