山村明義(作家・ジャーナリスト)


 現在の小池百合子東京都知事と橋下徹前大阪市長の関係をどう見れば良いのだろうか。この二人の「対決」、あるいは「合従連衡」の可能性は、実は三つの意味で面白い。

 まず、仮に大阪の「橋下新党」と東京の「小池新党」の両者が手を組めば、日本最大の大票田である二つの大都市部を支配でき、それが全国に広がる可能性が高いこと。

 また、小池都知事と橋下氏の二人に特有の「新自由主義的政策」がもし合体すれば、自公政権に対する「民共共闘政権」に対する強力な勢力になり得ること。

記者会見する東京都の小池百合子知事=12月2日午後、東京都新宿区 (菊本和人撮影)
記者会見する東京都の小池百合子知事
=12月2日、東京都新宿区
 逆に、リベラル陣営からは「独裁者」と呼ばれる二人の強力なキャラクターが激突し、対決すれば、はた目には面白い劇場型の「政治ショー」が見られるであろうからである。

  今後、2人の関係が実際に火花を散らし合い、しのぎを削ることになるのだろうか。

  実際に橋下徹氏は、小池百合子都知事の政治行動をかなり意識していたようだ。

 まず、橋下氏は小池氏の都知事就任直後に俎上に上がった築地市場の移転問題に関して、東京都職員による「意思決定システム」を取り上げ、小池都知事が疑念を示す「地下空間を設けることが、土壌汚染対策に反しているとは誰も思っていない」と批判し始めた。

 同時に橋下氏は、「小池百合子東京都知事はこのほど、現役の市場長を更迭した。(中略)今後小池さんが、とんでもない決済の負担を負うリスクが生じるということだ」(プレジデントオンライン)と、都職員の更迭に対して問題点を指摘する。

 しかしこの時点での橋下氏は、小池都知事に対して好意的なアドバイスをするような素振りが見えていた。「小池さん、大改革をやるなら『一発目』の予算が唯一のチャンスです!」(同)などというエールも送っていたからだ。

 しかし、11月17日、橋下氏自身のツイッターで小池百合子都知事が主宰する「小池塾」の講演をギャランティーの問題から断ったことを自らこう明かしている。

「(小池塾)僕のマネジメント会社から連絡があった。週刊文春から問い合わせがあったとのこと。小池塾サイドは1、当初無料と思っていたのに金額を聞いてびっくりしている 2、橋下が東京に行くのだから2回講演をやらせろと言われた、と言っているがどうなのか、という問い合わせ」

  そのツイッターや週刊文春の報道などによれば、事の顛末は橋下氏側が「一回200万円」の講演料を要求したのは事実だが、仲介に入った渡辺喜美氏らが「無料でやらせる」などと言って介入した。そのため、金額面で折り合いがつかなくなって断り、橋下氏側が「(小池氏とは)距離を置く」と語った―という経緯が明らかになった。