朝生容子(キャリアコンサルタント/産業カウンセラー)


 株式会社ディー・エヌ・エーが運営する医療情報サイト「ウェルク」の内容やリライト方法が問題視されたことを契機に、同社の9サイトが全記事を公開停止するに至りました。代表取締役社長兼CEOの守安氏は、その責任をとって、自身の報酬を6か月間減給すると発表しています。また、余波は他社のキュレーションサイトでの記事削除にも及んでいます。
横浜DeNAベイスターズの本拠地、横浜スタジアム。クライマックスシリーズ・ファイナルステージ第1戦のパブリックビューイングを実施すると、無料開放された内野席にファンが集結した=10月12日(撮影・山崎冬紘)
横浜DeNAベイスターズの本拠地、横浜スタジアム。クライマックスシリーズ・ファイナルステージ第1戦のパブリックビューイングを実施すると、無料開放された内野席にファンが集結した=10月12日(撮影・山崎冬紘)
 筆者はディー・エヌ・エーがオーナーであるプロ野球球団、横浜ベイスターズの30年来のファン。ウェルク閉鎖のニュースを聞いたときに、まず「球団経営に影響はないか?」ということが思い浮かびました。そこで一ファンとして勝手ながら、親会社であるディー・エヌ・エーのどこに問題あったのかを考察。その結果、同社の急成長を実現してきた組織風土の負の部分に原因があったと考えています。


短期間で影響力の大きなメディアを作り上げたディー・エヌ・エー


 今回のディー・エヌ・エーの情報サイト閉鎖の理由は、以下の二点にありました。

 (1) 細心の注意を払って取り扱うべき医療情報を、専門家による監修のないまま、根拠が不明確なまま載せていたため、下手をするとその内容を信じた読者の健康を悪化させる恐れがあったこと。

 (2) ウェルクも含めたキュレーションメディアの記事制作のマニュアルやライターの方々への指示などにおいて、他サイトからの文言の転用を推奨する等、著作権を軽視したと捉えられかねない点があったこと。

 様々なサイトに掲載された情報をまとめて掲載する「キュレーションメディア」と言われるサイトについては、その情報の質や編集責任の所在に、疑問を抱く声はありました。今回、特にディー・エヌ・エーのサイトが問題視されたのは、検索エンジンのアルゴリズムを活用して、自社のサイトが検索結果の上位に並ぶよう対策を打っていたことも一つの要因です。検索上位になった結果、ページビューも他のキュレーションサイトに比べて多く、影響力が大きいからです。