常見陽平(千葉商科大学国際教養学部専任講師)

 ちょ、待てよ。これぞ、SMAP以上の「お通夜みたいな雰囲気」ではなかったか。「WELQ」などキュレーションサイトをめぐり、情報の不正確さや運営の問題に関して会見した守安功社長と南場智子会長らの写真を見て、そう感じた。

DeNA執行役員の村田マリ氏
(写真は2008年、コントロールプラス社長時代)
 「お通夜みたいな雰囲気」と言えば、SMAPの解散報道をめぐる謝罪コメントを思い出す。ただ、彼らの解散は残念だが、彼ら5人はまだ既存の枠から解き放たれた。今後、ますます輝く可能性だってある。

 しかし、DeNAの経営陣からは光を全く感じなかった。しかも、3時間もかけた割に、謝罪会見として最低なのは、経営陣がこの事態の詳細について把握しきれていなかったと言い張ったことだ。この事業に深く関わっていたと言われている村田マリ氏は姿を現さず、コメントも何もなかった。これでいいのか。

 同社が杜撰なのか、真実を歪めて伝えたのかが正直、疑わしい。少なくとも私はそう感じた。「キュレーションサイト」は同社にとって、成長領域として位置づけられている。経営陣が、騒動になってから事態を知って驚いたというのは、筋が通らない。

 南場智子会長は配偶者の病気なども経験しており、このサービスについての社会的意義などを過去のインタビューでは説いていたが、なぜこのサービスに対して放置していたのだろうか。同社のサービスは患者やその家族を見下したサービスだと言われても反論できないのではないか。

 今後、この件をめぐっては第三者委員会を設置し、調査を行うとのことだ。同社は東証一部上場企業である上、プロ野球の球団まで所有している。同球団は今シーズン、クライマックスシリーズに進出するまでの好成績を収めたし、本拠地である横浜スタジアムでの観客向けのユニークなサービスも話題を集めている。同球団を応援した、子供たちを含めたファンの気持ちを泥靴で踏みにじるような蛮行である。

 3時間もかけた今回の会見は社会的責任を果たす上でも十分とはいえないものだった。同社の創業者、南場智子会長の著書は『不格好経営』(日本経済新聞社)というタイトルだが、守安功社長にはぜひ反省の記録として『不誠実経営』という本も出版して頂きたい。