さて2017年、このような資産市場の動きがどう世界経済に影響を与えるだろうか。高橋乗宣氏と浜矩子氏のように大胆な予測をすることは、私にはできない。ただあえて、「世界は日本経済の復活を知っている」といえるだろう。

 まず国際的には、2017年も米国経済が主役であり続けるだろう。先日、アメリカの中央銀行であるFRBが金利の引き上げを行った。金融政策の決定をするFOMCのメンバーの多くが来年3回の利上げを予測しているが、他方でFRBのジャネット・イエレン議長はトランプ政権の経済政策次第では今後の金融政策を柔軟に対応させると明言している。実は当たり前なことだが、中央銀行と政府がうまく政策協調できることは難しい。実際に、この日本で安倍政権が始まる前までは、日銀と政府の政策協調が事実上破たんし続けていた。
米連邦公開市場委員会後、記者会見するFRBのイエレン議長=12月14日、ワシントン(ロイター=共同)
米連邦公開市場委員会後、記者会見するFRBのイエレン議長=12月14日、ワシントン(ロイター=共同)
 トランプ政権が経済拡張を狙って財政刺激政策を活発化させれば、当然にFRBはそのサポートをしなければいけない。FRBの金利引き上げはそれ自体経済を冷却化してしまうので、今後の金利引き上げは事実上凍結に近い状況になるのではないだろうか。他方で政府と中央銀行の協調がうまくいけば、アメリカ経済の成長余力が発揮され、アメリカの好況は世界経済に活気を与えるだろう。またOPECの減産などをうけて資源価格も上昇しはじめ、ロシア、中国などの新興経済圏の失速リスクはやわらぐだろう。

 海外の不安定要因としては、やはり紛争リスクがあることは間違いない。特にアメリカと中国、そして経済・外交的に漁夫の利を得つつあるロシア、もちろんシリアを中心とする中東情勢は予断をまったく許さない。これらの地政学的リスクへの配慮は、世界経済を考える上での必修となっている。

 もちろん日本経済は、国際状況のみに依存しているのではない。独自の経済政策によって変えることのできる「人為的現象」だ。2017年における日本の経済政策の方針は、デフレの完全脱却というリフレーション政策におくべきだ。リフレーション政策は、現在のアベノミクスに反映されている政策でもある。日本銀行はインフレ目標2%の早期達成に全力を尽くすべきだし、また安倍政権は積極的な財政政策を行い、その政治力のすべてで財務省が主導する消費増税路線を封殺すべきである。日本が進むべき方向は、世界が知っている。