開幕前の低い下馬評を覆すプロ野球オリックスの快進撃。前半戦44試合で100万人を超え、1試合平均2万2734人は前年同期と比較して16・2%増。この大幅増の裏側には若き女性ファン「オリ姫」の存在があった。

データを活用

 夏休みに入った後半戦は客足がさらに伸びた。週末のロッテ戦は8月2日が3万1765人、3日も3万3989人と3万人を超すファンで本拠地の京セラドーム大阪は連日ほぼ満員。最後に日本一に輝いた1996年の179万6000人の球団最高記録を抜く可能性も出てきた。 「ここからが観客動員の“勝負のかけどころ”だと思っています」。山本康司リテール営業部チケットグループ長も鼻息が荒い。

 観客の大幅増にはチームの快進撃はもちろん、昨年から本格的に活用を始めた「ビッグデータ」が大きく寄与している。 ファンクラブ「BsCLUB」の会員証はICカードになっていて、グッズやチケット購入、飲食履歴などをデータとして蓄積。性別、年齢別に分類しグッズや飲食の好みなどを分析、チケットセールスやイベントの企画、告知メールの文面までファン層に応じてアプローチを変えている。 こうしたきめ細かい対応がファンの満足度を高め、リピーターが増えた。新規加入も増え、ファンクラブ会員数は昨年比1・5倍の4万人に到達した。

20~30代増加

 特筆すべき点は「ウチが最も弱かった層」と山本グループ長が指摘する「20~30代の女性層」のファンクラブ会員が前年比5~6%増加したことだ。 ネット上で「オリ姫」「猛牛女子」とも呼ばれる若い女性。このファン層はお目当ての選手を追いかける傾向が強い。侍ジャパン(野球日本代表)の4番打者、糸井嘉男外野手(33)が日本ハムから移籍してきた昨年も女性会員が増える現象がみられたという。今季、金子千尋投手(30)、西勇輝投手(23)、伊藤光捕手(25)らイケメン選手の活躍、露出増の効果は大きい。

ダンスで応援

 データ分析による球団のマーケティング戦略も見逃せない。京セラドーム大阪ではフードメニューに女性向けのスイーツを今季から5種類増やした。

 昨年12月には、伊藤捕手、海田智行投手とその当時は独身だった安達了一内野手の“独身・イケメントリオ”が登場する女性限定のクリスマスパーティーを開き、2部構成各30人限定の募集を掛けると、あっという間に完売。先月1~3日の楽天戦では、七回攻撃前に応援歌にのせグラウンドで踊るという企画を各日100人限定で募集し、全日完売。女性ファンの取り込みに球団挙げて取り組んでいる。

 今後の重点試合はソフトバンクとの首位攻防戦。京セラドーム大阪では17日までと9月16~18日の3連戦が予定されている。いずれも優勝争いを左右する戦いだけに「じゃあ1回ドームに行ってみようという人も多いでしょう。そういう人たちが真のファンになってもらえるように引き込みたい」と山本グループ長。快進撃は最大のビジネスチャンスでもあるのだ。