玉木潤一郎(経営者)

 解散発表後も相変わらず様々なメディアから注目度が高く、改めて空前の国民的アイドルだったという印象のSMAP。

 現在はメンバー揃っての活動が見られないのにも関わらず、冠番組は継続され、一体どのようなフィニッシュを迎えるのか年末が注目される。かくいう筆者も、52歳のオヤジながら今回の解散を残念に思うファンの一人である。
発売されたSMAPのベスト盤を手に取るファン=12月21日、「SHIBUYA TSUTAYA」
発売されたSMAPのベスト盤を手に取るファン=12月21日、「SHIBUYA TSUTAYA」
 はたして今後、SMAPの穴を埋めるようなアイドルは現れるのだろうか。

SMAPが築いた強固な人気の秘密とは


 コアな女性のジャニーズファンだけでなく、もっと広く一般にもSMAPが知られ始めた頃から、マルチな才能をもつ彼らの人気の秘密はよく分析の対象にされていた。

 10代の女の子ばかりか20代以上の大人の女性たちが夢中になる理由として、彼女たちが青春の真っただ中だった高校生の頃に、学年やクラスにいたであろう存在にSMAPが準(なぞら)えたりされて表現された。

中居正広さんは、スポーツができるクラスのまとめ役として。
木村拓哉さんは、少し危ない香りのする学年一のモテ男として。
稲垣吾郎さんは、無口で繊細な王子様キャラとして。
草薙剛さんは、いつもニコニコ穏やかな癒し系として。
そして香取慎吾さんは、元気でかわいい下級生キャラとして。

 タイプのまったく異なる5人だが、ブレイク直後は「付き合いたい男性ランキング」上位をメンバーで独占する勢いであったし、木村さんに至っては1994年から15年間、抱かれたい男NO,1の座を守り続けた。ファンにとってSMAPは、手の届かない印象のお高くとまったアイドルではなく、疑似恋愛の対象でもあったのではないだろうか。

アイドルの新分野を開拓したSMAP


 そんなSMAPは、いくつかの意味で、それまでのアイドル枠を超えたエポックメイキングな存在であったと言えよう。

 今年でデビュー25周年を迎えるはずだったらしい彼らだが、それ以前には20年以上もトップアイドルとして第一線に居続けた例はない。


 ちなみに私の年代で検証すると、1964年生まれの私が10歳のころ、つまり1974年ころのアイドルといえば、郷ひろみ・西城秀樹・野口五郎の「新御三家」がブレイクしていたが、20年後の1994年には新御三家は既に大物芸能人の地位を確立していたが、その一方トップアイドルといえる存在ではなくなっていった。

 その他にも、SMAP以前に20年以上もトップアイドルであり続けた例はなかろう。というより、そもそも40歳を過ぎた中年男がアイドル扱いされるという立ち位置は、おそらく彼らが初めて築いたものであり、歳を経るにつれ、アイドルから俳優やアーティスト、タレントへと転身していくのが当たり前であった。

 それは、若くてかっこよくて清純で美形、というのが当たり前だったはずのアイドルが、昼のバラエティでレギュラーを務め、抱かれたい男1位に選ばれ続けるほどセクシーで、パロディコントではブサイク顔メイクも披露し、リスクの高い司会やフリートークもこなすという、新しい価値を創造した点に要因があると思われる。

 52歳オヤジの私が申し上げるのもファンの皆さんには心苦しいが、現在、ジャニーズの後輩であるグループのいくつかは同様のマルチ性を持つものの、そのパイオニアたるSMAPを超えることは難しいだろうと思われる。