また、一水会幹部の中に、以前ワールドメイトに入って運動していた人もいる。その関係で来てくれたのか、僕も不思議に思っていた。当日集まった満員の人々も面くらっていたようだった。「新右翼」とワールドメイト、深見東州氏、まったく接点はない。でも、どんな関係があるのか、なぜ一水会は深見氏を呼ぶのか。この何故、何故があって、推理小説を読むような気分で来た人も多かったようだ。僕自身もそうだ。

歌唱中の深見東州氏=2015年7月5日
 
歌唱中の深見氏=2015年7月5日  
 深見氏の講演会が始まると、まずはじめに歌をうたう。皆の度肝を抜く。うまい、凄い声量だ。オペラを歌い、さらに、何と「君が代」を歌う。実に感動的だった。よくサッカーなどの国際試合が始まる前に歌手が君が代を歌う。しかし、みんなうまくない。それだけ「君が代」は難しい歌なのだ。それなのに堂々と歌う。うまい。多芸多才な人なんだと思った。深見氏の演題の「中村先生」はもう亡くなられたが、右翼の先生だ。僕らも大変お世話になった。一水会を作るずっと前から知っていて、お世話になっている。その中村先生に、深見氏もお世話になったという。中村先生の集まりにもよく行っていたという。だとしたら、その頃、僕らは会っていたのだ。あれ、こんなに近いところにいたのか、と思った。我々は中村先生の「教え子」だ。その点では同じ「弟子」だ。昔の同級生に会ったような気がした。木村氏は深見氏とはいろんな分野で会い、お世話になっているようだった。 
 
 深見氏は「中村先生にはとてもお世話になった。その恩返しをしたい」という。でも、中村先生は亡くなっているし、だから同じ中村先生の弟子たちにご恩を返すという。一水会や、そこに集まる人たちは(古い人は)、皆中村先生の教え子であり、弟子だ。その人たちが今、頑張っているので、お手伝いしたいという。それからしばらくして、「伝統と革新」という雑誌が、たちばな出版から出された。今の右派の人たちが書いて主張する場をつくったのだ。

 一水会フォーラムで深見氏が講演してから7カ月後、誰もがアッと驚くイベントが行われた。(2010年)8月12、13日に東京のフォーシーズンズホテル椿山荘国際会議場で行われた「世界平和をもたらす愛国者の集い」だ。来日したのはフランス、イギリス、スペインなど欧州8ヶ国。20人の国会議員、欧州議員だ。これには本当に驚いた。僕が一水会代表をやっていた時なら全く考えられなかったことだ。それに20人の議員を外国から呼んで会議を開くなんて、いくら頑張ってもできないことだ。それも、右派議員だけが集まって話し合っているのではない。どうしたら戦争のない世界をつくることができるか、それを話し合うのだ。この大会には莫大な金がかかったらしい。深見氏にもスポンサーの一人になってもらったという。こんな奇抜なことを考えるなんて、多分、このプラン自体から相談してたのだろう。そうじゃないととても出来ない。