2017年01月04日 16:42 公開

フィリピン南部ミンダナオ島キダパワン近くの刑務所で3日、武装集団が刑務所を襲い、服役中の150人余りが脱獄した。銃撃戦で守衛1人が死亡、服役者1人が負傷した。当局は、イスラム分離主義勢力による攻撃だとみている。

襲撃のあった北コタバト地区刑務所によると、現地時間の午前1時(日本時間午前2時)前後に武装した男たち数十人が現れ、銃で攻撃し始めたという。

現地メディアのGMAニュースによると、銃撃戦は約2時間続き、混乱した状況のなかで、収容された1500人以上のうちの一部が刑務所の裏に回り、ベッドを積み上げて壁を乗り越え逃走した。

刑務所のピーター・ボンガット所長は、AFP通信に対し、「(服役者たちは)銃撃の激しさから、逃げるチャンスがあると考えた。ベッドを持ってきて積み上げ、逃走に使った」と語った。

ボンガット所長は、襲撃はイスラム分離主義者の服役者の脱獄を助ける目的だったとの見方を示した。

フィリピン軍と警察は、逃走した服役者の追跡を開始した。少なくとも6人が再拘束された。

地元紙フィリピン・スターによると、今回の脱獄は、北コタバト地区刑務所で過去10年間に3回起きたなかで最大のものだという。

2007年には、爆弾製造で服役していた3人をゲリラ集団が脱獄させようとするなか、40人以上が逃走した。その4年後には、同様に爆弾製造で服役していた集団が脱獄した。

フィリピン南部では、暴力を使った脱獄事件が相次いでいる。

昨年8月には、ミンダナオ島のマラウィにある刑務所で、過激派組織のいわゆる「イスラム国」(IS)を支持する集団が、拘束中の8人と服役者15人の脱獄を助けた。

イスラム過激派の「モロ・イスラム解放戦線」(MILF)や「アブ・サヤフ」などによる、テロ攻撃や身代金目的の外国人観光客の拉致は、フィリピン南部で過去何十年にもわたって起きてきた。

MILFは、フィリピン政府との合意を受けた和平プロセスに長らく取り組んできた。しかし、MILFが内部分裂した上に、派生集団が生まれ、降伏を拒否する集団もいることから、和平プロセスは進展していない。

(英語記事 One dead as scores escape in Philippine prison break