2017年01月06日 18:06 公開

日本政府は6日、韓国・釜山の日本総領事館の前に戦時中の性奴隷問題を象徴する少女像が先月設置されたことへの対抗措置として、長嶺安政・駐韓大使らを一時帰国させると発表した。

韓国は長年にわたり、第2次世界大戦中に旧日本軍の施設で働かされた「慰安婦」への賠償を求めてきた。

一方、日本政府は、少女像の設置が2015年12月の日韓合意に違反しているとしている。

少女像がなぜ大きな問題になっているのか

裸足の若い女性が椅子に座る姿の、高さ150センチのブロンズ像は、女性たちが経験した苦難と、日本からの謝罪と賠償が不十分だとする受け止め方を象徴するものとなっている。

戦時中に性奴隷にされた女性は20万人と推計されており、その多くは韓国出身だった。このほか中国やフィリピン、インドネシア、台湾の出身者もいた。

多くの女性が高齢化し死亡するなか、問題は毎年エスカレートの一途をたどっている。韓国では現在、46人前後が生存しているとみられる。

問題は長らく日韓関係に付きまとってきた。

少女像は1体のみなのか

像は複数ある。最も知られているのは韓国の首都ソウルの日本大使館前にあるものだ。

大使館前の少女像は2011年に、謝罪と賠償を求める活動家らのデモ1000回目を記念して建てられた。

韓国にはこのほか37体が存在するといわれる。オーストラリアでも同様の像が建てられ、同地に住む韓国人と日本人の間に軋轢を生んでいる。

今回の経緯

韓国の活動家らが先月28日に建てた像は、日韓合意から1年たったことを受けて、合意内容に抗議するのが目的。合意は、日本政府が謝罪した上、韓国政府が女性たちの支援に設立した財団に10億円を拠出するというものだった。

合意が被害者との相談なくまとめられたとの批判や、日本が法的責任を認めておらず、被害者に直接賠償が支払われないことに抗議する声が出ていた。

当初、釜山の警察が少女像を撤去したが、数日後には地元当局が再設置を認めた。現地紙コリア・ヘラルドは、韓国国内に少女像の維持を求める強い圧力があったと伝えている。

日本の反応

日本政府は、問題の「最終的かつ不可逆的」な解決をうたった2015年の日韓合意に、少女像の設置が違反しているとしている。

日本の安倍晋三首相は6日に出した声明で、両国による合意の履行が重要だと述べた。

日本政府は駐韓大使のほか、釜山の総領事に一時帰国を指示した。さらに日韓通貨スワップ協議の停止と、ハイレベル経済協議の延期を韓国に通告している。

菅義偉官房長官は、韓国には問題の解決に向けた適切な対応を繰り返し求めていたが、状況の改善がみられないことから今回の措置を取った、と述べた。

少女像をめぐる問題が一向に解決しないことに、日本はいら立ちを募らせてきた。

日本政府は大使館前の少女像の設置が、領事機関の威厳を守るとした1961年のウィーン条約の規定に違反するとしている。

(英語記事 Japan recalls Korean envoy over 'comfort women' statue