そもそも高レベル廃棄物は、最初は放射能が非常に強いのであるが、再処理して、半減期の長いウランやプルトニウムなどを取り除くと40年で千分の1、150年で1万分の1になる。8百年で10万分の1、 3千年で百万分の1である。いつまでも減らない地球温暖化ガスと違って、どんどん減衰して毒性が低下していくのである。それでも、ウラン鉱石と同じレベルになるのは2万年といったオーダーになるから大変だが、300年ぐらいなら、江戸時代からある老舗もあるので、ガラス固化体もきちんと管理できると思う。空冷であれば、すでに鉄筋コンクリートの建屋のなかで、安全に保管されている。

 私は1千分の1になるまでの40年間で、しっかり方向性と地元理解を得るように議論すべきと思う。その議論をしながら、再処理と高速炉の技術を堅持して、埋設処分の技術をしっかり開発するのがよいと思う。

 高レベル廃棄物の埋設処分場の候補地の選定も必要である。筆者は、スウェーデンの岩盤研究所ASPO(エスポ)を訪問した。使用済み燃料を収納した大型トレーラーがらせん状のトンネルをぐるぐる回りながら、地下450mまで降りていける。地下には、トンネルが枝分かれしていて、大きなキャスクを岩をくりぬいた穴に差し込んで、岩石と粘土で蓋をする。このための大型のマシンがすでに開発されている。我が国のトンネル技術とロボットなどの遠隔操作技術を以てすれば、今、すぐにでも建設が開始できる。
使用済み燃料を入れた容器をトンネルの穴に挿入する作業マシン=スウェーデンの岩盤研究所
使用済み燃料を入れた容器をトンネルの穴に挿入する作業マシン=スウェーデンの岩盤研究所
 日露平和条約を締結したら、北方領土を経済特区とし、長年の運転実績があるロシア型の高速炉を建設する。日本に向けて送電するとともに、高レベル廃棄物の削減と保管期間の短縮を可能としたうえで、高レベル廃棄物の埋設処分場も建設すると良い。六ケ所の再処理施設とも比較的近いし、高速炉の使用済み燃料を処理する第2再処理工場を建設するのも良い。福井県にはシンもんじゅを建設し2つの炉型で、徐々に高速商業炉の稼働を高めていく。

 高速炉は我が国の年間電力売り上げ20兆円を2500年にわたって供給できるので、5万兆円(5京円)の価値がある技術開発である。高レベル放射能を減容して、保管期間を大幅低減できる。我が国の骨太の活力ある社会の未来への存続に向けて1兆円や2兆円の投資にガタガタ言うなと言いたい。冷静に考えれば、全て実現可能である。