2017年01月09日 12:23 公開

イスラエルの主要都市エルサレムで8日、旧市街を見渡す観光名所を見学していたイスラエル兵士たちの集団に男がトラックで突入し、兵士4人が死亡、17人が負傷した事件について、ネタニヤフ首相は射殺されたパレスチナ人男性が、過激派勢力のいわゆる「イスラム国」(IS)支持者だったと示す「あらゆる兆候」があると述べた。首相は、発言の根拠は示さなかった。

警察によると、死亡した兵士はいずれも20代の女性3人と男性1人。

調べによると、実行犯は現場に近いエルサレム東部のパレスチナ人地区ジャベル・ムカベル出身の、ファディ・クンバル容疑者(28)。現場で兵士に射殺された。

現場の防犯カメラ映像には、兵士たちの列に猛スピードで突入したトラックが、バックで戻り倒れた被害者の上を通過する様子が映っていたという。

目撃者のリア・シュライバーさんは報道陣に、「さらに大勢をひきつぶすためにわざと後ろ向きに戻ってきた。それはあからさまだった」と話した。

事件を受けて開かれた緊急治安閣議は、IS同調者を裁判なしで拘束する措置は必要だと合意した。

当局は、容疑者の家族5人を含む9人を逮捕した。

8日午後に現場を訪れたネタニヤフ首相は、「テロ攻撃が相次いでいる。確実に関係があるかもしれない。フランスからベルリン、そして今やエルサレムまで」と述べ、同じようにトラックで人ごみに突入して大勢を死傷させた昨年7月の仏ニースの事件と昨年12月のベルリンでの事件に言及した。

イスラエル国家警察幹部は、先月のベルリンでのトラック攻撃が今回のきっかけとなった可能性に触れ、「何が動機になったかすべての人間の頭の中を知るのは難しいが、影響はあったはずだ」と述べた。

パレスチナの武装組織ハマスの報道官は、「英雄的」な行為だと犯人を称賛し、他のパレスチナ人にも「抵抗を高めていく」よう呼びかけた。ハマスはパレスチナ・ガザ地区では政治力をもつが、米政府と欧州連合(EU)にはテロ組織と認定されている。

今回の事件に先立ち、35人のイスラエル人が2015年10月以来、パレスチナ人やアラブ系イスラエル人にナイフや銃や自動車で攻撃され、死亡している。これに対して同じ期間内で、200人以上のパレスチナ人が死亡した。イスラエル側は200人のほとんどは、テロ攻撃の実行犯だと説明している。

イスラエル政府は、暴力事件の多発の原因を作っているのはパレスチナ側の扇動だと批判。一方のパレスチナ自治政府は、イスラエルの占領政策によって数十年かけて積みあがってきたパレスチナ人の間の不満や焦燥感が原因だと反論している。

(英語記事 Jerusalem lorry attacker 'was IS supporter'