2017年01月12日 18:07 公開

1974年以来分断が続く地中海の島国、キプロスの再統合に向けた和平交渉をめぐり、仲介役を務める国連は11日、英国など関係国の外相らが会議に加わると明らかにした。

ジュネーブで開かれる予定の和平会議には、ボリス・ジョンソン英外相のほか、ギリシャとトルコからも外相が出席し、安全保障問題を話し合う。和平会議は、2国家の連邦制を目指している。

11日には、ギリシャ系のキプロス共和国のニコス・アナスタシアディス大統領と、トルコのみが国家承認する「北キプロス・トルコ共和国」のムスタファ・アクンジュ大統領が会談し、それぞれが求める領土の分離線が記された地図を交換した。

国連は、このような形で意見交換が行われるのは初めてだと指摘し、和平に向けた重要な一歩だと歓迎した。

今月就任したばかりのアントニオ・グテレス事務総長もジュネーブでの会議に出席する。同氏にとっては初めての海外での活動になる。

1974年には、ギリシャ政府が支援するギリシャ系住民が起こしたクーデターをきっかけに、トルコ軍が侵攻。キプロス島の北部には、依然としてトルコ軍兵士3万人が駐留している。

英国とトルコ、ギリシャの3カ国は、キプロス独立の擁護者とされており、憲法上の危機が起きた際には、介入することができる。

キプロス問題に関する国連事務総長特別顧問のエスペン・バート・アイデ氏は、合意は可能だと述べた上で、「最も複雑で感情が絡む問題」が未解決だと指摘した。

同氏は記者団に対し、今回の会議で、「包括的な和解」がまとまる可能性は低いとしつつも、外交官らは「近く合意ができるという感触」を得て帰路に就くだろうと述べた。

現在の和平交渉は2015年に始まった。今回合意ができれば、それぞれの国民投票にかけられる。

英国のジョンソン外相は全ての関係者が柔軟に対応できるのであれば、解決は可能だと述べた。会議には、ギリシャのニコス・コジアス外相とトルコのメブリュト・チャブシオール外相も出席する。


協議が難航する論点

資産: 9日の協議で最も優先的に話し合われたのは、1974年のトルコ侵攻時にギリシャ系住民が放棄せざるを得なかった資産をどうするかだ。かつて住んでいた住居を返還するのか、補償するのか。補償金であれば、どれくらいの額になるのか。

安全保障: ギリシャ系住民が占領軍と考えるトルコ軍3万人の扱い。撤退するとしたら、トルコ系住民の安全をどのように保証するのか。トルコは介入する権利を保持しつづけるのか。

合意の履行を誰が保証するのか。キプロス共和国がすでに加入している欧州連合(EU)か、キプロス島の2カ所に軍隊の基地を持つ英国か。

連邦のトップとEUとの関係: ギリシャ系とトルコ系の大統領の交代制にする案が出ているが、うまく機能するのか。トルコ系の大統領がEU首脳会議でキプロスを代表するのは現実的か。

領土: ギリシャ系住民が多数を占める島の人口に比例する形で、ギリシャ系国家の領土はどの程度拡大されるべきなのか。国連の平和維持活動(PKO)部隊は、対立の結果、ギリシャ系住民16万5000人が北部から逃れたか、追放された一方で、トルコ系住民4万5000人が南部から移ることを余儀なくされた、とみている。双方が実際の数はさらに多いと主張している。


(英語記事 Cyprus talks to take international turn amid hope for deal