山岡鉄秀(AJCN代表)

 日韓合意直後の2016年2月7日、私は「未来に禍根を残すな! 慰安婦日韓合意国民大集会」(頑張れ日本! 全国行動委員会主催)で登壇し、下記のようにスピーチした。1年前のことだ。

 現時点で政府の見解は、「今は韓国政府のご苦労を見守るのが正しい姿勢」とのことですが、我々AJCNの見解は異なります。様子見期間は終了しました。ここからは、明確なゴールを設定して、そこへ向けて誘導すべきです。さて、韓国は今、何を考えているでしょうか。我々の経験を踏まえれば、次のように考えていていることが推察できます。

・民間の反日活動を放置し、日本が如何に酷い国かを世界にアピール
・無条件で10億円を払うのが当然だという国際世論を醸成
・マスコミ誘導、ロビーイング強化
・大使館前の慰安婦像は民間が設置したので政府には何もできないのに、日本政府は撤去が10億円拠出の条件であるかのような理不尽なことを言うので活動家の説得に失敗したと主張
・日本政府が10億円払えばしめたもので、韓国側の約束は履行せず、民間の反日活動を放置して合意を骨抜きにする。ユネスコにも民間主導で申請
・これまで通り、裏から民間の反日活動を支援

 周知の通り、結果は我々の予想通りだ。釜山の日本総領事館前に新たに建てられた慰安婦像に多くの国民が心底怒っているが、いかにも韓国人がやりそうなことだ。我々は一介の市民団体に過ぎないが、多民族国家の豪州で生の韓国人と隣り合わせに生活しているから、赤裸々な現実を見据えて活動している。夢見るお花畑ではない。
韓国・釜山の日本総領事館近くの公園で慰安婦像の撤去に抗議する人たち=2016年12月28日(共同)
韓国・釜山の日本総領事館近くの公園で慰安婦像の撤去に抗議する人たち=2016年12月28日(共同)
 「さっさと10億円を払って、道徳的に優位に立つ外交をすればよい」と主張した人々がいたが、道徳心がない相手にどうやって道徳的に優位に立つと言うのか。日本人の価値観や規範を前提に外交ができるとでも思っているのか。

 10億円もらったら「これでもう何をやっても構わない」と考え、「何度も日本人を騙す我々は戦略性に優れている」と誇りに思うのが韓国人だ。騙される方が悪い、嘘をつくのが当たり前の社会だから、ヘルコリアなのだ。

 今回はウイーン条約違反に言及したが、なぜ最初から言及して、ソウルの日本大使館前の慰安婦像撤去を条件にしなかったのか。「民間がやったことだから致し方ない」と韓国政府を擁護したうえ、10億円払って朴大統領を応援しようと宣(のたま)った元駐韓全権大使がいた。10億円もらったら「努力すると言っただけで、撤去するとは約束していない」と言って逃げるに決まっているではないか。良心の呵責を感じるとでも思ったのなら驚嘆すべきナイーブさだ。慰安婦像設置阻止も撤去もできなかったのも無理はない。

 それでも、世界から見たら、金をもらってから新たに慰安婦像を建てさせるのは明らかに韓国政府の不誠実に映るから、日本政府は10億円のはした金でまんまと韓国を追いつめた、ボールは相手のコートにある、と主張する方々もいる。