この尋常ならざる事態にどう対応するか、AJCNの意見を申し述べておく。

 まず、駐韓大使の帰国や通貨スワップの協議停止などの制裁措置は、絶対にこちらから緩めてはいけない。繰り返すが、日本は完全になめられている。強きに媚び、弱気をくじくのが韓国の伝統的民族性だ。釜山とソウルの慰安婦像が撤去されるまで、事実上国交断絶でも構わない。韓国が折れて謝罪し、行動で示すまで、絶対にこちらから歩み寄ってはいけない。「条約も守れない国家と協業することは不可能」と宣言してよい。こちらは何も困らない。
韓国・釜山での慰安婦像設置を受け、帰国した長嶺安政駐韓大使=1月9日午後、東京・羽田空港(鈴木健児撮影)
韓国・釜山での慰安婦像設置を受け、帰国した長嶺安政駐韓大使=1月9日午後、東京・羽田空港(鈴木健児撮影)
 さらに、慰安婦問題を焚き付けているのは日米韓の離反を画策する北朝鮮直属の組織だとはっきり言った方がいい。韓国政府は北朝鮮の工作機関をコントロールする能力をとうに失っているから、自分では何も解決できないままに、新しい政権が一方的に破棄を通告してくる可能性が高い。その機会を捉え、韓国の「でたらめさ」を徹底的に世界に喧伝したうえで、本格的な歴史戦を開始する。

 その時は政府が責任を持って、「慰安婦問題とは何だったのか」を明確かつ詳細に定義しなくてはならない。つまり、立論するということだ。明確な立論なくして反論しても無意味である。相手がどう思おうと、これが我々がまじめに研究して得た結論ですと宣言することから始めなくてはならない。ディベートの基本だ。

 杉山晋輔審議官(当時)が国連で口頭で反論するだけでは甚だ不十分だ。外務省のホームページはお詫びと償いの言葉だけが溢れかえり、何の事実検証も記していない。それが日本の名誉の回復に全く役立たないことをいい加減に認めて、やり直すしかない。明確な立論をしないまま、第一次政権の時のように、安倍首相が単騎出動すれば、戦艦大和の水上特攻よろしく一方的な猛攻撃を受けてしまうのは当然だ。

 私自身、多くの海外メディアから「慰安婦問題は、日本政府が正式に認め、謝罪して賠償金まで払ったのだから、もはや議論の余地がない。歴史的事実に関する像を建てても、日本人への人種差別には当たらないのではないか」という質問を多く受ける。私がカメラの前で言葉に詰まるのを期待するかのようだ。

 しかし私は平然と答える。「安倍首相は安全保障などの重要事項を優先して合意を結びましたが、強制連行や性奴隷化を認めたわけではありません」。相手はたいてい「なるほど」と言って質問を変えてくるが、まず政府が明確な立論をしない限り、一民間人の議論には限界がある。将来の世代に煮え湯を飲ませたくないのなら、これを最後のチャンスと心得てしっかりやってもらいたい。さもなくば、日本人は軍隊を使って生理前の少女を拉致して性奴隷にした極悪民族として永遠に歴史に刻まれることになるだろう。