ジャーナリスト 大高未貴

ご都合主義の言い分

 「真っ昼間なのになんとも暗い雰囲気の記者会見でした」と、私の取材協力者で、沖縄研究家のG氏(沖縄在住)は言った。5月15日、沖縄県庁記者クラブで開かれた「琉球民族独立総合研究学会」(以下、独立学会)設立の記者会見である。「前々から地元紙が期待を込めて宣伝していたし、1週間前の5月8日には中国の人民日報が『琉球は明、清両朝の時期、中国の属国だった』『琉球国は日本に滅ぼされた』『沖縄の独立には正当性がある』などと主張し、内外で波紋を呼んでいたので、大勢の記者が集まるのかと思っていたのですが、わずか12~13人。テレビ局はRBC(琉球放送)とチャンネル桜だけ。発表者の龍谷大学・松島泰勝教授(石垣島出身)や沖縄国際大学の友知政樹准教授らは、何か後ろめたい事があるかのように、始終うつむき加減でした」(G氏)

 G氏によれば、この日の夜、沖縄国際大学(宜野湾市)で独立学会のシンポジウムが開催された。前日、地元2紙が大きく告知していたにも関わらず、参加者は130人程(琉球新報では250人)。収容人数500人の会場は気の毒なくらいガランとしていたという。シンポジウムに参加したG氏の知人の警察OBによると、うち30人前後は中核派グループだったそうだ。

 記者会見での主な質疑応答は以下の通りである。

 ―趣意書には、「すべての軍事基地を撤去」とあるが、その代替案は?

 「我々はすべての基地撤去を掲げているのであって、琉球に軍事基地を作るつもりはない。琉球の歴史、沖縄地上戦の『鉄の暴風』から学んだことは、軍隊は人を守るためではなく、基地があればターゲットにされるということです。戦争になれば軍隊がくるのではなく、軍隊がいるから戦争になる。非武装こそ身を守る手段だと思っています。その場合における外交のありかたなどは今後の研究で深めてゆきたい。(略)バルト海のオーランド諸島のように、非武装中立にしたことで、周辺の国の安定が維持される事例もある。国家は必ずしも軍隊を持つ必要がないというのが21世紀の国の在り方だと思う」

 ―日本への復帰を沖縄県民が望んだ歴史をどう思うか? また今まで日本政府が振興開発費として何十兆円ものお金を沖縄に投入してきたがその事をどう思うか?

 「72年の復帰については騙されたと思っている。(略)振興開発費についても、それがあったからといって沖縄の経済格差や自主経済問題が解決されたわけではない。飴と鞭の論理で、振興開発が基地の押し付けに利用された(オスプレイ強行配備など)日本や米国による強制が現在進行形で続いている」

 ―中国の人民日報や環球時報などが琉球独立論を歓迎しているが、関連性はあるのか?
「全くない。むしろ迷惑だ」

 最後の質問は地元の琉球新報によるものだが、尖閣問題などで起きている中国に対する県民の反発を意識したアリバイ作りではないか。というのも直前の5月8日に、沖縄県民の89%が中国に対して「良くない」「どちらかといえば良くない」印象を持っているとの調査結果が、沖縄県から発表されたばかりだったからだ。一方で、人民日報や環球時報が独立学会の発足にあわせたように「琉球独立」を支持する論評を掲載している。「阿吽の呼吸」だとしか思えず、「迷惑だ」と言い切ることに不自然さを感じる。むしろ、独立学会の先生たちは隣国中国も我々の主張を認めていると胸を張るべきではないか。彼らが会見でうつ向いていたのは、自分たちの親中思考が県民には到底受け容れられないという事実に衝撃を受けたからではないか―というのはうがった見方だろうか。

 まずここで、独立学会の主張の概要を見ておこう。彼らは、琉球民族は国連憲章107条に規定された先住民(少数民族)であると主張する。だがここで140万人の沖縄県民は戸惑うのではないか。確かに琉球王朝は存在したが、漢字とひらがなを組み合わせた文字を使い、言語も一地方の方言を越えず、生活様式も本土・日本とほとんど変わらない。それを突然、先住民ですよ! 我々は差別されているのですよ!などと言われたら、誰がそんな規定したのだということになろう。それはともかく設立趣意書は以下の様に続く。

 「1879年、明治政府による琉球併合以降、現在にいたるまで琉球は日本そして米国の植民地となり、日米両政府による差別、搾取、支配の対象となってきた。(略)琉球民族は独自の民族として、『人民の自己決定権』を行使できる法的主体である。(略)琉球民族が独自の民族として、平和、自由、平等に生きることができる『甘世』(あまゆー)を実現させるために本学会を設立し、琉球の独立を志す全ての琉球民族に参加を呼びかける」

 これは、一種のご都合主義の作文である。日本が搾取したというが、サトウキビ栽培くらいしか産業がなく、「ソテツ地獄」(毒を含むソテツを食べて飢えをしのぐしかなかった大正末期から昭和初期にかけての大恐慌)もあった沖縄から何を搾取したというのか? 本土からの巨額の支援金や振興費を産業発展なり、住民福祉に活かせなかったのは県自体の責任でもある。また差別というが、琉球王朝や沖縄が先島諸島や奄美の人達を過去、差別してきたことには頬被りである。

 植民地という言葉をどう理解しているのかも問題だ。例えばチベットである。中国はチベットを併合する際、「針一本持ち出しません」という条文を交わしたにも関わらず、宗教、文化、言語を奪い120万人を虐殺、ここ数年で優に100人を越える若い僧や尼僧が抗議の焼身自殺をしている。これが現在進行形の植民地支配の実像なのだ。

 記者会見では、沖縄が習うモデル地として、バルト海のオーランドを挙げていたが、これにも嘘がある。要衝の地であったオーランドは、19世紀半ばのクリミア戦争の結果、非武装地帯に指定された。第一次世界大戦後、フィンランドとスウェーデンの間で領有問題が勃発、国際連盟の裁定案件となり、1921年、国際連盟の事務次官であった日本の新渡戸稲造が中心となって、オーランドの自治権の拡大を条件としてフィンランドへの帰属が認められた。いわゆる「新渡戸裁定」である。従ってオーランドは非武装とはいえ、あくまでもフィンランドの自治領であり、独立国家ではない。このあたりの左翼の言説は、虚実ないまぜで巧妙である。

「今日琉球に帰国します!」~甘世な安全保障感覚

 独立学会の中心人物、松島泰勝・龍谷大教授(50)=石垣出身=は関西にお住まいのようだが、自身のブログで5月9日、「今日、琉球に帰国します!」と題し、15日の学会設立イベントについて「琉球史上初めて」と自賛した上で、「琉球人の皆さん、琉球の脱植民地化のための具体的な方法としての独立について自由に議論し、実践につなげていきましょう」と呼びかけている。さらに12日付の八重山日報では「琉球独立は本当に可能なのか?」という記者の質問にこう答えている。

 「太平洋にあるパラオは人口2万人の島だが、独立している。人口140万人の沖縄も独立できるはずだ。琉球処分と呼ばれる琉球併合の時も、琉球は日本に自治権を譲り渡したことはない。復帰の時も、本来なら日本の一部になるために住民投票するべきだった。琉球の人民は、国際法に照らしても自己決定権がある」 

 さらに「人民日報が『日本に沖縄の領有権はない』と主張する論文を掲載したが、琉球独立論は、中国を利することにならないか?」という質問にはこう答えている。

 「(人民日報の)論文が、日本が強制的に琉球を併合したというのは正しい。しかし、琉球が中国の属国だったというのは誤りだ。琉球は日本のものでも、中国のものでもない。

 独立は中国のためではない。もし中国が琉球を統治下に置こうとするなら、チベットやウイグルのような問題を新たに抱えることになる。世界第2位の経済大国であり、国連の常任理事国であるという地位も失うだろう。琉球独立論が中国を利さないように注意する必要はある」

 尖閣問題に対する見解はこうだ。

 「尖閣は歴史的に琉球のものだと思う。しかし所有権を主張すると戦争になる。争いを棚上げし、共有の海や島々にするべきだ。対立のきっかけを作ったのは日本政府の国有化だった。先島への自衛隊配備など、日本政府が相手にけんかを売るような行動を取ってきた。軍備では島は守れない。脅威を高めず、平和な島にすることが一番の安全保障だ」

 言い分が沖縄の段階的略奪を狙う中国の言い分にあまりにも酷似しているのは気になる。尖閣をめぐる日中対立のきっかけが日本政府の国有化というのも、中国だけを利するだけの虚偽である。中国はそれ以前から尖閣強奪に向けて動き出していたことは周知の通りである。50歳にもなる大人の、しかも大学教授の見識としては、あまりにもお粗末だ。現在、フィリピンやベトナムの西沙・南沙諸島で何が起きているのか、どの程度理解しているのか。「もし中国が琉球を統治下に置こうとするなら、チベットやウイグルのような問題を新たに抱えることになる」などとサラリというが、チベットは前述した通りの惨状だし、ウイグルは凄まじい民衆弾圧の中で、民族浄化が着々と進んでいる。もし本気で少数民族の独立を唱えるならば、むしろチベット、ウイグル、内モンゴルにエールを送り、県当局にかけあって、政府からの巨額の援助金の一部を彼らにまわせと主張するのが筋だろう。それに中国は多少手荒なことをしても、国連の常任理事国の地位を失うことなどないと知っている。仮に失ったところで、新興国を糾合して、新しい国際組織を立ち上げれば良いと考えている。それが、世界の覇権を握ろうとする中国の思考なのだ。

 中国は息を吐くように嘘を言う。「沖縄は日本に属さず、中国のものだ」という学術論文が現れはじめたのは、3~4年前のことだ。それが、昨年の尖閣問題以降急増し、ついにこの5月、共産党の機関誌である人民日報にまで登場したのだ。尖閣問題で「話し合う」ということは、いずれ沖縄問題の帰属問題も「話し合う」ということにも繋がっていく。こんな子供騙しにも等しい分断工作を、大学教授ともあろうものが全く見抜けないというのは不思議である。

 沖縄大学の劉剛教授(中国からの派遣教授)は、人民日報系列の環球時報に「沖縄の地位は未定で、琉球人は豚肉を食べるが、日本の主食は食べず、文化的にも中国大陸と深い関係にあり、民衆の多くは中国に好感を持っている」と書いている。

 一方で沖縄タイムスには「尖閣問題で日本が妥協しなければ、琉球問題を採り上げるという中国の戦略だ」と語っている。(5月10日)。この劉教授、5月20日、21日に北京で開かれた「尖閣と琉球独立に関する会議」に出席し、松島教授を誘ったが松島教授は断ったという噂もある。『あなたのすぐ隣にいる中国のスパイ』(鳴霞著・飛鳥新社)によると、中国から来ている大学教授や知識人が、中国大使館を通じて人民解放軍参謀本部第二部(諜報機関)と強く繋がっているという。松島教授らの活動が、中国の情報工作の何らかの影響を受けていることは十分に考えられる。

 一方、松島教授らとは違った流れで、古くから沖縄独立を掲げている政治団体がある。「かりゆしクラブ(旧名:琉球独立党)」だ。琉球独立党は70年、野底武彦、崎間敏勝(大衆金融公庫元総裁)が中心になり結成。1971年-参議院議員選挙に崎間が出馬したが落選。活動は停滞していた。05年に党員だった屋良朝助が党首となり、党名を「かりゆしクラブ」に改名した。

 その屋良氏に今回の独立学会立ち上げについて聞いてみた。

 ―沖縄独立の動きが中国を利すると思いませんか?

 「私の妻が中国人ということもあり、誤解されていますが、私は中国なんかの工作員ではありません。ある意味、右派の方ともわかりあえる民族派だと思っています。もし中国の工作員だったら、たくさんの工作資金をまわしてもらって過去に知事選や市長選に当選しているはずです」

 ―独立したとたん中国自治区になるのでは?

「それはありません。私たちが松島さんたちと違うのは、彼らは新左翼系で非武装を唱えていますが、我々は武装を認めます。ただし、独立=自主防衛ということではないのです。独立しても、米国・琉球軍事同盟を結ぶ事や、国連に協力をもとめて多国籍軍の駐留とか、琉球国防軍を多国籍人で構成するとかも可能だと考えています。自衛隊と同盟を結ぶこともありえます。ただし、その場合は『自衛隊』ではなく『災害派遣隊』に名をかえていただき、有事の際だけ『国防軍』になってもらえばいい。中国に占領されて終わりという意見をたびたび聞きますが、いちいち反論するのは時間のむだです」

 そうはいうものの、私が屋良氏を知ったのは、2010年4月25日普天間県内移設反対県民大会で、屋良氏が琉球独立のドデカイ旗を持って自転車で走りまわり、その映像が中国のテレビで放送され、中国人の間で・やはり琉球は独立したいんだ・と評判を呼んでいたからだ。その事を持ち出し、「いくら中国とは関係ないといっても、中国国内の世論形成に利用されている。その事をどう思うか?」と聞いてみたが、明確な答えは返ってこなかった。いずれにしろ中国はあらゆる手段を駆使して沖縄及び尖閣の略奪を狙っている。もし実現すれば中国の巨大艦隊が太平洋に出られる広大な海路を獲得でき、ハワイでアメリカと太平洋の覇権を二分するという野望も達成できるのだ。

沖縄独立を応援するトンデモ文化人、政治家たち


 4月に沖縄に行った際、沖縄財界のF女史が「最近、孫崎とか鳩山とか何人だかわからないような人がちょくちょく沖縄に来ては左翼に迎合することばかりいって困ったものだわ…」といっていた。

 「鳩山」とは鳩山由紀夫元首相である。最近、沖縄に財団法人東アジア共同体研究所を立ち上げた鳩山元首相は、近々中国を再訪するという噂もあり、まるで中国のエージェントのような動きをしている。「孫崎」とは孫崎享氏で、その最重要ブレーン。元外務省情報局長、元防衛大学教授という肩書があるだけにやっかいなのだが、4月10日付沖縄タイムスに「私は最近沖縄を訪れることが多い。/気付いたことは、沖縄の政治家や言論界の相当の人々が独立論に傾いていたり、今真剣に検討しはじめていることである」という書き出しで「活発化する沖縄独立論」というエッセイを寄稿している。独立学会への側面支援である。この記事に関してF女史が「私の周囲で独立なんか唱えている人は一人もいません。孫崎氏は一体誰に会って発言しているのでしょう? 中国人ではないかしら?」と憤慨する。

 また、 社民党の照屋寛徳議員は自らのHPで「沖縄、ついにヤマトから独立へ」と、独立学会設立を歓迎、応援する記事を掲載している。その内容は以下のようなものだ。「明治以来の近現代史の中で、時の政権から沖縄は常に差別され、今なおウチナーンチュは日本国民として扱われていない現実の中で、日本国から独立した方が良い、と(私は)真剣に思っている。

 沖縄の人口は140万人を超えている。国際社会には人口100万規模の独立国がたくさんある。今朝(4月1日)の地元二紙朝刊によると、来る5月15日『琉球民族の琉球民族による琉球民族のための学』と定めた『琉球民族独立総合研究学会』というものが正式発足するらしい。許されるならば(会員資格のうえで)私も学会に加わりたい」 

 4月9日のHPにはこんなエピソードを誇らしげに紹介している。「今日、中華人民共和国駐日本国大使館・韓志強公使が私の議員会館に来室した。来室目的は、現下の日中間の諸問題や中国と沖縄(琉球)との500年余の歴史的、文化的、経済的交流(交易)について、語り合うことであった。(略)私からは、特に尖閣問題について『平和的外交手段による解決を強く望む』と申し上げた。韓志強公使は、『中国は武力や威嚇の行使による解決の意思はない』と明言された。(略)最近、ネット右翼が『沖縄でオスプレイ反対を叫ぶ者は中国の手先』とか『中国が沖縄を侵攻、占領するぞ』等と喧伝しているが、韓志強公使は『中国が武力で攻めてくるような雰囲気があるが、根も葉もないこと。そのような意図は全くない』と明確に否定された」

 中国公使の吐息のような嘘を信じるのは勝手だが、5月13日には尖閣沖の領海内で漁をしていた石垣島の漁船髙州丸が、中国の海洋監視船3隻に包囲され、海上保安庁の巡視船が間に入るという事件が起きた。これを威嚇といわずに何と言うのか。それほど中国を信じ、沖縄独立を是とするなら、日本国の国会議員をさっさと辞任すべきだろう。

発起人はオール・サヨク

 ともあれ、独立学会の発起人五十数人の公表されているバックグランドを調べたところ、見事なまでにオール・サヨクだ。一坪反戦地主、革労協、沖教組、反戦運動家、普天間ゲート反オスプレイ活動家など。政治色のない市民はほとんど見当たらない。これでは偏狭な運動集団と見なされても仕方がない。15日の記者会見に出席していた、長老格の西表島の石垣金星氏は会見で「私は元沖教組で、68年から72年まで復帰運動の先頭にたって旗を振っていました。復帰後、バラ色の世界がくると信じていた。ところが、それは間違っていた。日本政府は日本人の安全のために沖縄は言うことを聞けという。オスプレイにしろ、これまでのやりかたはすべてそうでした。沖縄市町村の代表が東京に行ってデモ行進しても何も現状は変わらない。沖縄に平和がきて夜、ゆっくり眠れるようになる選択肢は独立しかない。(略)この運動を長い目でみて、若い人たちにバトンタッチしてゆきたい」と語っている。

 確かに戦後70年近くも経ちながら、日本国内に外国の軍事基地が存在するのは異常である。しかしそれを解消し、日本を真の自立した国家にするには改憲し、自衛隊を国軍として増強し、アメリカと対等の立場で同盟を結ばなければならない。その方向に進まなければ、基地問題も完全に解決はしない。日本も沖縄も、核を保有する非民主的国家に囲まれているのだ。石垣氏は1946年生まれだそうだから、沖縄戦の時には赤ん坊にもなっていない。その沖縄戦では12万人以上の民間人と、約10万人の日本軍人が命を落とした。戦艦大和も含め皆、日本と沖縄を守るために必死で戦ったのだ。敗れたとはいえ、その勇猛な必死さがあったからこそ、日本は独立でき、沖縄も復帰した。それが歴史の見方というものだ。中国の分断工作に易々と乗せられることは同じ悲劇を繰り返すことになる。

 32軍司令部の直属の看護婦として従軍し、牛島大将の最期を看取った伊波苗子さん(94)は会うたびに私にこういう。「閣下殿は摩文仁で自害されてからも、ずっと沖縄にとどまり、沖縄の父神様となって私たちを見守ってくださっているのです」。それは「矢弾尽き 天地染めて 散るとても 魂還り 魂還りつつ 皇国護らん」という辞世の句に現れている。また、大田實・海軍少将は「沖縄県民斯く戦えり。県民に対し、後世特別の御高配を賜らんことを」という遺言を残して自決した。沖縄は6月23日、68年目の「慰霊の日」を迎えるが、沖縄を守るために散華した島民や日本軍兵士、神風特攻隊の英霊たちが、独立学会などの稚戯のような騒動を知ったら、どれほど嘆くだろうか。独立学会がめざす「甘世」な社会は、現時点では幻想に過ぎず、彼らの頭の中だけに限定しておかないと、それこそ東アジアの動乱に繋がってゆく。彼らは、琉球独立云々を言う前に、国家なき人々の悲劇、パレスチナやチベット、ウイグルなどの調査・研究を行い、そこから真の平和とは何なのかを真摯に学んでいただきたい。

 ちなみに先述の沖縄県民意識調査で「89%は中国に対し否定的」と発表されたことに対し、沖縄タイムスは「県民は中国には批判的だが、歴史的な親近感はある」と報じている。左に巻いた脳のネジは、どんな現実を見せられても、真ん中には戻らないようだ。



大高未貴 昭和44(1969)年、東京都出身。フェリス女学院大学卒業。世界100か国以上を訪れ、 ダライ・ラマ14世、PLOのアラファト議長にインタビューする。衛星放送チャンネル桜キャスター。著書に『神々の戦争』(小学館)、『魔都の封印を解け!』(防衛弘済会)など。