ニコライ・シェフチェンコ(ロシアNOW)

 ドナルド・トランプ氏の第45代アメリカ大統領就任式を前に、ロシアの専門家たちが改めてトランプとは何者かを理解しようとし、米国の内政および露米関係への影響を占った。


 トランプとは何者か、そしてこの現象が露米関係をどう変えるのか?この問題はロシアの専門家たちを悩ましており、彼らは、同氏の奔放なツィターでの呟きやスキャンダラスな発言の霧を透かして、氏の素顔を見極めようと試みてきた。

 ロシアのアメリカ専門家たちは、米国市民に劣らず就任式を待ち構えているが、式目前の1月18日に彼らは、モスクワの国際討論会「バルダイ会議」に集まり、議論を展開した。

就任式で宣誓を終え、歓声に応えるトランプ米新大統領
=1月20日、ワシントン
就任式で宣誓を終え、歓声に応えるトランプ米新大統領 =1月20日、ワシントン

トランプって何?


 ロシアの専門家らの関心を引く主な問題は、トランプとは何者かではなく、米国の政治構造の発展の文脈においてトランプとは何であるか、そしてこの現象が外交政策にどのように反映するか、という点にある。「トランプは歴史的必然性か、それとも歴史の破綻か」。モスクワ国際関係大学国際政治プロセス講座のイワン・サフランチュク准教授はこう問題を提起した。

 米国におけるトランプの反対者たちとは異なり、ロシアの専門家らは次のような見方に傾いている。つまり、トランプが勝利したのは、ヒラリー・クリントン陣営の選挙戦略の誤りのためではなく、クレムリンが米大統領選に介入した結果でもない。トランプ勝利は、同氏がアメリカ社会の構造的な変動を捉えることができたためだ、と。

 「トランプ氏は、アメリカ国民に対し、米国は敗北を喫しつつある、と言ってのけた人物だ」。こう言うのは、バルダイ会議のプログラムディレクターを務めるアンドレイ・スシェンツォフ・モスクワ国際関係大学教授。

 スシェンツォフ教授の見解では、こういう強力で並々でない発言をするには、この候補者には「尋常でない勇気」が必要だったはずだという。

 トランプ氏には、米国の支配層にとって具合の悪い問題を提起する能力がある、ということだが、これは、氏が別のエリート層の代表者であることで説明される――。こう考えるのはアンドレイ・ベズルコフ氏。氏はかつて米国から追放されたロシアのエージェントで、現在は露石油最大手「ロスネフチ」の社長顧問を務めている。経済大国としてのアメリカの再生こそがトランプ氏の主要なメッセージだ、と氏は考える。