2017年01月24日 12:12 公開

ドナルド・トランプ米大統領は23日、環太平洋経済連携協定(TPP)からの離脱に関する大統領令に署名した。12カ国が参加するTPPは、バラク・オバマ前大統領のアジア政策の要だった。

トランプ大統領は、「たった今やったことは、米国の労働者にとって素晴らしいことだ」と述べた。与野党が激しく対立する連邦議会でTPPは批准されていないため、大統領令は象徴的なものに留まる。

トランプ大統領はまた、海外で人工妊娠中絶を提供する非政府組織(NGO)に対する対外援助や国内の補助金を停止する大統領令にも署名した。

大統領選挙でトランプ氏は、TPPは米国の製造業を衰退させるとして、「我が国にとって大きな災難になる可能性がある」と主張していた。

TPP離脱についてには、リベラル、保守両派から支持する声が出ていた。

民主党のバーニー・サンダース上院議員(バーモント州選出)はBBCに対し、同様の貿易協定は「大災難」で何百万もの雇用を失わせたので、今回の大統領令を支持すると語った。

23日夜には、上院外交委員会がレックス・ティラーソン前エクソンモービル会長の国務長官への指名を承認した。今後、上院本会議で採決にかけられる。

上院はまた、中央情報局(CIA)の新長官に指名されたマイク・ポンペオ下院議員(共和党)を賛成67票、反対30票で承認した。

トランプ政権発足後、最初の平日となった23日には、複数の大統領令への署名があわただしく行われた。大統領令は、議会の承認を得ずに法的拘束力のある指示を政府機関に下すもので、多くは限定的な内容となっている。

海外で中絶を提供するNGOへの補助停止は、1984年に当時のロナルド・レーガン大統領が署名した、いわゆる「メキシコシティー政策」と呼ばれるもの。大方の場合、民主党の大統領が同政策を取り下げ、共和党の大統領が復活させるというパターンが続いてきた。オバマ前大統領も2009年にメキシコシティー政策を止めている。

トランプ大統領は、軍を除く連邦政府職員の新たな採用を停止する大統領令にも署名した。

トランプ氏は、ホワイトハウスで大手企業の幹部らと会談した後、法人税率を現在の35%から15%もしくは20%まで引き下げ、雇用を米国で維持するのを条件に、規制を最大75%削減すると表明した。トランプ氏はその後、労働組合の指導者らとも会談した。

トランプ氏の保護主義的な発言を受けて、為替市場ではドルが売られた。

トランプ大統領が23日に発表した措置のいくつかは、選挙運動中の昨年10月にペンシルベニア州ゲティスバーグで演説した際に「就任初日」に行うと公約した内容に沿ったものだが、メキシコ国境での国境建設の開始や中国に対する「為替操作国」認定など、一部の公約は守られていない。

ショーン・スパイサー大統領報道官は、トランプ新政権にとって今後、あわただしい数週間になると語った。

現在空席となっている最高裁判事の指名が今後2、3週間のうちに行われるという。

スパイサー報道官は、同氏にとってホワイトハウスでの正式な記者会見としては最初となった23日、南シナ海の公海上で領有権が問われている島々について、中国が支配するのを阻止すると述べた。

スパイサー氏は、「米国はあの地域で、必ず我々の利権が守られるようにすると思う」と語った。

同氏は、「当該の島々が確かに公海にあり中国固有の領土でないならば、公海をひとつの国が支配したりしないよう確実に守っていく」と述べた。

(英語記事 Trump executive order pulls out of TPP trade deal