児玉克哉(社会貢献推進機構理事長)
衆院補選で当選した若狭勝氏と小池百合子都知事を鉢巻き姿で囲む豊島区議
=2015年10月23日、東京都豊島区
衆院補選で当選した若狭勝氏と小池百合子都知事を鉢巻き姿で囲む豊島区議 =2015年10月23日、東京都豊島区

 東京都知事選で小池百合子氏を支援した7人の区議、いわゆる7人の侍に対して、自民党都連は自民党からの除名処分を決めた。自民党は7人の区議に対して、対話の機会、弁明の機会を与えたが、結局彼らはそれを断り、こうした事態に至った。この自民都連との対決姿勢には当然のことながら小池知事の意向があるはずだ。小池知事は都議会の運営において、都議会自民党を懐柔するか、対決するかの選択を迫られた。様々な利権が組み込まれており、改革のためには「対決」しかないと判断したのだろう。全面対決を覚悟し、来年の都議選で「小池新党」から遠慮なく候補者を擁立し、自民党都議の数を半減させる方向に舵を切ったといえる。自民党以外の都議の多くを準与党化させれば、「小池新党」の候補者が4分の1から3分の1を占めるなら、与党的勢力で過半数を取ることができる。そこで初めて思い切った改革が可能になる。

 都議選での方向は定まったと言える。東京都だけの独特のシステムであった政党復活予算の仕組みも廃止することを決めた。これは都議会自民党にとっては非常に大きな衝撃であったに違いない。最大会派の都議会自民党の裁量は大きく、これは直接的に都議の「手柄」となる。利権構造ができやすいもので、小池知事がこの仕組みにメスを入れるのは当然だ。都議会自民党からすれば、政党復活予算がなくなり、議会で野党化するとなると、これまでの状況が一変し、「権力」が激減したことを意味する。これで知事も都議会自民党も全面対決しか選択肢が残らない形となった。中途半端な懐柔路線が消えた。

 これからのポイントは「小池新党」がローカルパーティとしてのみ機能するのか、国政にも進出するか、である。

シナリオA ローカルパーティとしての小池新党


 東京都は今後、オリンピックなどで国との協力関係を強めることが求められる。安倍政権と良好な関係を持ちつつ、大事業を成功させていかなければならない。カジノの誘致においても東京都は有力候補だ。小池新党が国政にも進出するとなると、自民党本部との関係は一気に悪化することは間違いない。その時点では小池知事にも除名処分が下る可能性が高い。それは、小池知事も安倍政権も望むところではない。