2017年02月17日 11:48 公開

ドナルド・トランプ米大統領は16日、急きょ記者会見を開き、先月20日の就任式以降の成果を擁護しつつ、メディアを激しく批判した。

1時間16分にわたった会見でトランプ氏は、記者らの不正直さは制御不能になっていると語った。昨年の大統領選で、選挙運動関係者がロシア政府と繰り返し接触していたとの報道を例に挙げた。

発足間もない政権に対しては、先月末にトランプ大統領が署名した、イスラム教が多数を占める特定7カ国の人々の入国禁止を含む大統領令が、裁判所によって執行停止となっており、国家安全保障担当の大統領補佐官だったマイケル・フリン氏が辞任に追い込まれ、混乱ぶりが露呈したと批判する声が出ている。

しかし、トランプ大統領は記者会見で、選挙公約を守っていると自賛。政権は「見事に調整された機械」のように機能していると語った。

記者会見の冒頭は、トランプ大統領が労働長官の新たな指名を発表するものだったが、しだいに激しいメディア批判の場となった。

トランプ氏は、「国内外のひどい状態を(前政権から)引き継いだ」後に達成できた成果をメディアが軽視していると批判した。

一方で、株価の上昇や不法移民の取り締まりなどを成功例として挙げ、自らの政権が「かなりの前進」を達成したと称賛した。

トランプ政権では今週、フリン大統領補佐官が辞任を余儀なくされたほか、労働長官に指名されていた大手レストランチェーン経営者のアンドリュー・パズダー氏が、上院での承認が困難な情勢になるなかで指名を辞退している。

フリン氏をめぐっては、大統領補佐官に就任する前からロシアの駐米大使と対ロ制裁については協議していた疑惑についてマイク・ペンス副大統領に誤解を生む説明をしていた責任を取る形で今週13日に辞任した。

もし疑惑が事実と確認されれば、民間人が外交政策に関わることを禁じる米国法に違反したことになる。

トランプ大統領は、選挙運動関係者がロシア高官と接触していたかどうかについて記者から質問を受け、「私の知っている限り誰も」接触していないと語った。さらに、「ロシアの一件は偽ニュースだ、メディアが広めている偽ニュースだ」と付け加えた。

連邦議会では、ロシアによる米国の大統領選への介入についての調査を、フリン氏の疑惑にも範囲を広げるよう、超党派の要求が出ている。

NBCテレビの記者は、トランプ氏が大統領選を受けた選挙人団の投票で、ロナルド・レーガン大統領以降最も大差で勝利したとの主張は正しくないのではないかと指摘したが、トランプ氏は「私はそういう情報を受け取った」とのみ答えた。

アフリカ系米国人のエイプリル・ライアン記者から、連邦議会黒人議員団(CBC)と政策実現のために協力する考えがあるかと問われたトランプ氏の受け答えに、驚いた人々もいる。

トランプ氏はライアン記者に「君の友達なの?」と聞き返した上で、「こうしよう、君が会合を準備してくれるかい?」と述べた。

会見後、CBC所属の議員らはトランプ氏の発言に非常に驚いたと語った。

トランプ氏は記者会見で何度もメディア批判を繰り返したものの、「楽しい時間を過ごしている」と主張する場面もあった。

トランプ氏は、「明日になったら『ドナルド・トランプは報道陣に、わめき散らしたした』と言われるんだろうな。罵倒も激昂もしてないよ」と語った。

「ともかく言ってるだろ。そう、君たちは不誠実な人たちだ。しかし、わめき散らしたりしていない。すごく楽しい」

トランプ氏はさらに、一時的な入国禁止令について修正された新たな大統領令を来週出すと述べた。

16日に公表された裁判所の資料によると、トランプ政権は、連邦控訴裁判所で審理する判事の数を増やすよう求めることはせずに、現在の訴えを取り下げ、新たな大統領令を出す計画であることが明らかになった。

3人の判事が審理に関わったサンフランシスコの第9巡回連邦控訴裁では先週、入国禁止令の一時差し止めを命じた地裁を支持する判断を下した。

(英語記事 Trump launches stinging attack on media