東京都の新しい知事となった小池百合子さん(64才)。次点の増田寛也さんに100万票以上の差をつけ、圧勝で女性初の都知事となった小池さんとはどんな人物なのだろうか。

 小池さんは1952年7月、兵庫県芦屋市で生まれた。“お嬢様学校”として有名な甲南女子中学、高校を経て関西学院大学に進学。だが、1971年に中退し、単身エジプトに渡ってカイロ大学に入学した。番組共演などで親交のあった経済評論家の長谷川慶太郎さんは当時をこう振り返る。

「カイロ大学への入学を勧めたのは私の友人で、彼女が“人のやらないことをやりたい”と言うので、“アラビア語は誰も話す人がいないから、勉強するといい”と答えた。すると、さっそく“それに決めました”と。本当に決断の早い女性ですね」

定例会見に臨む小池百合子知事=2月3日、東京都新宿区の都庁(寺河内美奈撮影)
定例会見に臨む小池百合子知事
=2月3日、東京都新宿区の都庁
(寺河内美奈撮影)
 実は小池さんはカイロ大学在学中の1974年、3才年上の日本人留学生と結婚し、1年たらずで離婚した経験がある。夫が仕事でカイロを離れることになり、大学に残って勉強する道を選んだのだという。

 1976年にカイロ大学を卒業。帰国してアラビア語の通訳になり、テレビの特番でリビアのカダフィ大佐やPLOのアラファト議長のインタビューのコーディネーターをしたことがきっかけでテレビの世界に入った。

 1979年には歯に衣着せぬ発言でおなじみの政治評論家・竹村健一さんが司会を務める『世相講談』(日本テレビ系)のアシスタントに抜擢され、やがて“アシスタントキャスター”として竹村さんに自分の意見を堂々とぶつけるようになる。政界や財界に人脈を増やしていったのも、この頃からだ。『小池百合子の華麗なる挑戦』の著書のあるルポルタージュ作家の大下英治さんが言う。

「彼女は出演した政治家や財界人、言論人らに欠かさず礼状を書き、番組で撮影した本人の写真を添えて送っていました。すると返事が来て、お茶やご飯を一緒にということになる。それが彼女の貴重な人脈になっていったんです」

 1988年『ワールドビジネスサテライト』のメーンキャスターになると、さまざまな国際会議を取材するなど率先して世界中を飛び回った。

 こうして培った人脈やテレビの世界で学んだことは、後に彼女の大きな武器となる。2005年、環境大臣の時に仕掛けた「クールビズ」はその好例だろう。

「彼女がクールビズをPRするために考えたのがファッションショーで、財界のトップをそのモデルにしようとした。“上司が変わらなければ部下は変えられない”というのがその理由です。当時の日本経団連会長でトヨタ自動車の会長だった奥田碩さんをはじめ、錚々たる財界人に自ら声をかけて、ショーに出演させました」(大下さん)

 かくして「クールビズ」は多くのマスコミに取り上げられ、多くの人の予想に反し、広く浸透していった。小池さんの人脈を駆使したPR戦略は見事に成功したわけだ。

 自民党の平沢勝栄衆議院議員も、彼女の情報網の広さを実感したことがあるという。2001年5月、北朝鮮から金正日総書記(当時)の長男・金正男が偽造旅券を使って密入国し、成田で身柄を確保された時のことだ。当時、小池さんは衆議院議員3期目で保守党に在籍していた。

「政府の極秘情報だったのにどこで入手したのか。彼女がぼくのところに電話してきて、“あの男を日本から出しちゃダメだ”と言うんです。それにはぼくも同感で、偽造旅券で入ってきた人間を徹底的に調べるのは当たり前のことですから。ところが外務大臣だった田中眞紀子さんは“テポドンが飛んできたらどうするのよ”とパニックになり、結局、丁重に送り返してしまいましたが…」(平沢議員)

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