2017年02月17日 18:33 公開

パキスタン南部シンド州の町セフワンで16日、イスラム教の神秘主義スーフィズムを信じる人々の宗教施設で自爆攻撃があり、少なくとも72人が死亡した。地元警察が明らかにした。

過激派組織のいわゆる「イスラム国」(IS)が犯行声明を出しており、パキスタンのナワズ・シャリフ首相は攻撃を強く非難した。

ISのほか、パキスタンで活動するタリバンなど武装勢力による爆発物による攻撃が最近相次ぐなか、今回の攻撃は最も多くの犠牲者を出した。

現場はスーフィズムの聖人、ラル・シャハバズ・カランダルの寺院で、パキスタン国内で最も古く崇敬される寺院の一つ。イスラム教徒にとって聖なる日とされる16日には、多くの人が集まっていた。

目撃者によると、礼拝のため人々が踊る最中に攻撃は起きた。地元メディアによると、実行犯は手りゅう弾を投げた後に、自爆装置を起爆させたという。

目撃者のある男性は地元メディアに対し、「死体がいたるところにあった。女性や子どもの遺体もあった」と語った。

また、寺院の中庭を埋め尽くす「大勢の人が泣き叫んでいた」と、現場の混乱と凄惨な状況を語る証言もあった。

寺院内を撮影した画像からは、血が残る床や衣服やサンダルが散乱した状態が確認できる。

パキスタン国内で最大の救急車サービスを運営するエドヒ・ウェルフェア・トラストによると、死者のうち43人が男性で、9人が女性、20人が子どもだった。

警察幹部がBBCに語ったところによると、このほか少なくとも250人が負傷した。付近にある唯一の病院では負傷者の手当てが間に合わない状態だという。

重篤な負傷者は、車で2時間かかるジャムショロやハイデラバードの病院に運ばれた。パキスタン軍は、夜間飛行が可能な海軍のヘリコプターが、負傷者の搬送に使われると語った。

シャリフ首相は、攻撃を行った武装勢力と戦うと約束した。同首相は発表文で、「過去数日はつらい日々だった。犠牲者にお悔やみを申し上げる」とし、「しかしこのような事件が我々を分断させたり恐れさせてはならない。パキスタンのアイデンティティー、世界共通の人道主義を守る闘いにおいて団結しなくてはならない」と述べた。

カマル・ジャビド・バジュワ陸軍参謀長は、「国民の血一滴まで復讐する、ただちに。誰に対しても容赦しない」と語った。

パキスタンでは何百年にもわたりスーフィズムが信仰されてきた。イスラム教スンニ派の過激派のほぼすべてがスーフィズムやシーア派を、異端として強く嫌悪している。

13日には、パキスタン東部のラホールで起きた自爆攻撃で少なくとも13人が死亡。パキスタン国内で活動するタリバンの分派、ジャマート・ウル・アフラルが犯行声明を出した。

(英語記事 Pakistan: IS attack on Sufi shrine in Sindh kills dozens