平本淳也(元ジャニーズ所属タレント)


 オマエんち宗教どこ? うち創価学会だよ、そーなんだ? 南無妙法蓮華経、言える? すげーじゃん! オレはクリスチャンだよ! 食事前とか祈るの? へぇ~。

 思えばジャニーズ内でこんな会話もめずらしくなかった。タレントとはいえ、一般的な宗教に関わっていることは不思議ではないが、基本的に「親が」「家が」というのが通例だった。

 この場合、信仰心とまでは言い難いレベルだが、中には熱心な信者もいて布教にも似た活動をしている同僚もいた。だが、それは稀なケースで、活動が露骨だと友達が離れていくことがわかっているだけに、巻き込んだり、あるいは迷惑をかけたりするようなことはしていない。

 今、その宗教問題で注目されているのが清水富美加だ。彼女を否定して業界を擁護するわけではないが、本人が「迷惑をかけた」と発信しているのは確かであり、わざわざ「大迷惑」をかけてまで問題にしたのはどんな意図があったのか。

 世間を騒がせている相手は「幸福の科学」である。人気女優の清水が出家(宣告)した有名な宗教団体だが、問題は幸福の科学という宗教団体ではなく突然の「出家」がクローズアップされているようだ。
講演する大川隆法総裁
講演する大川隆法総裁
 それがなぜ、今なのか。この辞め方には大きな疑問をいくつも残している。人気女優であり、多くの仕事を中断してまで急がなければならなかったのか。ただ、結果的には事務所を辞めて幸福の科学に出家という形で「移籍」したということがうかがえる。

 いずれにせよ今回の事態は異例尽くしなのだ。収入や仕事の内容に対する不満について「ギリギリ状態」という清水だが、それを理由に「辞めます」、「辞めました」って一方的な都合放棄は理解し難く、それを容易に受け入れる幸福の科学側の対応にも違和感がある。

 いわゆる「引き抜き」にも似た今回の騒動は他に例がない。洗脳されて連れていかれたといった類なら時折見られるが、本人から発信されたメッセージと関係双方が会見まで開いて言い分を発表するのは異例のことで、「宗教団体VS芸能プロダクション」という構図もめずらしい。

 ただ、芸能人の宗教に関する問題は少なくない。「統一教会」の合同結婚式に参加し、世間の注目を集めた歌手の桜田淳子や、自らが広告塔になり世にも広く知らしめた幸福の科学の小川知子あたりは有名な話であろう。

 しかし、プロダクションとの対立は表面化されておらず、あくまで本人の主張と行動によるものだ。清水の場合は所属事務所に対する不満を公にして、それを理由に出家という行動を取ったのは、何らか意図があったと考えざるを得ない。

 故意に問題を大きくしているとしか思えないのだ。問題を起こして話題を作りメディアを使った宣伝なのか、少なくてもこのやり方で幸福の科学側に「メリット」が生じたようにみえる。

 一方、攻撃されたレプロエンタテインメント側にはメリットなどあるはずもなく、騒ぎを止めたいレプロは「(清水)本人を尊重する」というコメントを出し、折れる姿勢を打ち出した。これはスポンサーや業界内に向けたメッセージであることもうかがえる。