堀川大樹(慶応大先端生命科学研究所特認講師)


 2017年2月21日、NASAは太陽系外の惑星に関する新発見について記者会見を開くことをアナウンスした。「これは間違いなく、地球外生命探査にかかわる新知見だろう」。筆者はそう確信した。

 というのも、ここ数年、NASAは1年に1〜2回ほどのペースでこのような会見を開いているが、これらの発表内容はすべて、地球外生命探査にかかわるものだからだ。「この宇宙には我々以外に生命がいるのだろうか?」という大きな問いを解明するための挑戦は、冷戦終了後の世界における、宇宙開発の大きな目的になっている。

 2017年2月22日(日本時間23日)にNASAが開いた会見の内容は、「第二の地球」候補の惑星を複数含む太陽系外の「トラピスト1惑星系」についてのものだった。やはり、地球外生命探査にかかわる内容だった。

NASA外観
ケネディ宇宙センター
 今回、太陽よりもはるかに小さく低温の赤色矮性「トラピスト1」を、地球に近いサイズの7つの惑星が周回していることがわかった。さらにこの7つのうちの3つは、(もしも大気があればの話だが)水が液体の状態で地表に存在できる環境条件であることが、観測と計算により推定されたのである。

 我々人間、そして、地球上の他の生物を見ればわかるように、生命が生きていくためには液体の水の存在が欠かせない。逆にいえば、地球外のとある惑星に、もしも液体の水があるとすれば、その惑星では生命が誕生し、蔓延っている可能性がある。もしかしたら、そのような惑星には我々人類と同等、あるいはそれ以上の文明をもつ地球外生命体がいる可能性もあるのだ。

 このようなわけで、生命探査には、液体の水が存在しうる、つまり、生命が棲息しうる環境(ハビタル)な惑星を探すことが欠かせない。

 だが、太陽系外のにこのような惑星があるかどうかは、最近まで不明であり、謎とされていた。もっといえば、太陽系外に「惑星があるかどうか」すら、長いあいだ見つかっていなかったのである。

 太陽系外の惑星が初めて確認されたのは、1990年代に入ってからである。恒星のふらつきを検出することで、その周りを回る惑星の存在を予測するドップラー法や、恒星からやってくる光の減退を検出することでその前を横切る惑星の存在を確認するトランジット法などの観測技術が向上したことにより、系外惑星が次々と認定されるようになった。とくに2009年に打ち上げられたケプラー宇宙望遠鏡の活躍により、新たに認定される系外惑星の数は飛躍的に増加している。