山本一郎(個人投資家・作家)


まとめサイトの無断転用等の問題を受け会見したディー・エヌ・エーの(左から)小林賢治経営企画本部長、守安功社長、南場智子会長=2016年 12月7日、東京都渋谷区
まとめサイトの無断転用等の問題を受け会見したディー・エヌ・エーの(左から)小林賢治経営企画本部長、守安功社長、南場智子会長=2016年 12月7日、東京都渋谷区
 山本一郎です。記事のタイトルだけ読んで分かった気になる派です。

 ところで、ネットでニュースを閲覧することが習慣になっている人間にとって「情報リテラシー」というのは絶対に無視することのできない大切な価値観であると思うのですが、普通に社会の中で生きていく上ではそれほど重要ではないかもしれないと感じさせる出来事がありました。

 例えば、ネット上で情報を扱う際にトラブルの種となりがちな「引用」についてですが、日本でもっとも成功している事業者の一つであることは間違いないであろうLINEの上級執行役員を務める方が以下のようなコメントをされていて、なるほどなあと妙に感心してしまいました。



引用される、されないの定義に関しても、どこの誰かは分からない人に引用されているから権利者は怒るのであって、ネット界隈で有名な人に引用されたら「ありがとうございます」となるのではないでしょうか。

出典:TechCrunch

 何というか、この「ギリギリ分からなくもないんだけど、そこでそう開き直り方をするのか」という雰囲気はどうしてもしてしまいます。

 そもそも引用というのは、有名人にされれば「ありがとうございます」と思わず感謝したくなるほどうれしいものだったんでしょうか。個人的にはこれまで一度もそんなふうに思ったことがありませんでした。もちろん、自分の書いたものや意見が拡散されるという意味では嬉しいですが、なんか剽窃や盗用だとなれば話は別ですから、あんまりそこが混同されるとモノを書く側としては困ります。世の中の人の多くがそう感じているのであれば、文化庁が引用の定義で示している「引用物が主従関係の従になるべき」という見解を逸脱したような行為が横行するNAVERまとめは社会的にはまったく問題ないということになるんでしょうか。

 LINEの中の人はさらに踏み込んで検索エンジンのあり方についても問題提起されておられまして、このあたりも2017年の情報リテラシーを考える上でのポイントなのかもしれません。

Googleというと語弊があるのですが、「検索」になりたいんです。コンテンツを必要としている人とコンテンツを持っている人をいかにつなげるか、ということなのです。

 一連の騒動で少しだけ違和感があるのは、検索エンジンについてどう考えるかということです。

(中略)

 ロボットは良くて、ロボット以外がはダメな理由(まとめが検索サービスと認められない理由)はそもそも何だったのかと。

出典:TechCrunch

 単なる乱暴なコピペ行為が実は新たなネット検索の礎になるということなのでしょうか。色々と考えさせられます。何かこう、Googleなど検索サービスがコンテンツをキャッシュして適切にユーザーと情報を繋いでいくために必要な技術やリソースだけでなく、思想や行動様式なども合わさって「信頼」なんだろうと考えると、いまそれをNAVERまとめ率いるLINEが言ってしまうというのはモゾモゾするものを感じます。