5割が無縁墓という霊園も!?

草が生え荒れ放題のお墓。こうした状況を回避するには、自分の生活圏の近くに墓を引っ越させるのも一つの手だ
 約27万人(世帯・家)の利用者がいて、125万体の遺骨が眠る東京都立霊園(全8カ所計)では、2000年から「無縁墳墓処理事業」を行っている。5年以上にわたって管理料が滞納されている墓地5000基以上について、戸籍情報をたどるなどして使用者や縁故者を探し出す。

 これまでに調査した約2600の墓のうち、使用者や縁故者が見つかったのは約1000基。残りの約1600基は使用許可を取り消し、再整備するなどした。遺骨は、合葬して供養している。

 都立霊園を管理する都公園協会では「無縁墓となるケースをできるだけ少なくするためにも、2011年からは調査体制を強化した。ただ一方で、新たに連絡が取れなくなる墓も増えており、悩ましい問題。例えば霊園から発送した郵便物ひとつとっても、相当量が宛先不明で戻ってくる実態がある」と話す。

なぜ無縁墓が発生するのか


 無縁墓そのものは、明治以前からの問題だった。それが、時代が進むにつれ、転居の活発さが増したことが、墓の放置を増やす一因になっている。

 日本人は一生のうち3.1回の引っ越しをしている(生涯移動回数)という統計がある。供養すべき墓のそばで生涯を過ごす人というのは意外と少ない。さらに、子供(墓地の承継者)の数が減り、あるいは子供がいない人の増加も無縁墓を増加させる要因となっているようだ。


 日本の人口ピラミッドを思い浮かべて考えてみてほしい。団塊の世代など、熟年・高齢層は兄弟姉妹が多いなかで育ってきた。

 「◯◯家を継いだ長男が、実家の墓に入るから」といった発想で自分たちで新たに墓を建てる人も多い。

 だが、供養の担い手である子供世代の人口は先細りだ。

 子供がいない人が立派な墓を建てたとしても、将来無縁墓になる可能性が高い。そもそも「おひとり様」で人生を終えた人は、生前に誰かに頼んでおかない限り、死後に自分の遺骨が墓に入ることすら難しい。

孫の世代までいったら…


 子供がいたとしても少子化で、一人っ子同士の結婚が珍しくない時代。自分の親の墓と配偶者の親の墓がのしかかる。


 ましてや、夫の実家が北海道、妻の実家は沖縄。夫婦は東京で生活なんてことになったら墓参りの負担は大きく、墓が荒れていく可能性が高い。

 さらに世代が下がったらどうなるだろう。一人っ子の家系同士の孫が所帯を持ったとしたら、祖父母の代まで4基の墓を承継しなくてはいけないことになる。 いくら「先祖思いの素晴らしい供養の心」を持った孫だとしても…。

 さて、あなたが承継する、購入するお墓は大丈夫ですか?

 そしてあなたが眠るお墓は大丈夫ですか?

 ちゃんと供養してくれる人はいますか?
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