「韓国はみんな狂っている、まともではない」。ネット掲示板かと見紛うタイトルのついたコラムが、1月27日、韓国最大の日刊紙・朝鮮日報に掲載された。執筆者は日本特派員の経験もある朴正薫論説委員。〈国家が理性を失いつつある〉とまで自国を評した内容は、大きな反響を呼んだ。ソウル在住ジャーナリスト・徐台教氏がレポートする。

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 朴正薫氏のコラムを呼んで冷静さを取り戻した読者は、こう思ったに違いない。我が国は今、どうなっているのか。韓国で「朴槿恵─崔順実ゲート」と呼ばれる一大スキャンダルの追及が本格化したのは昨年10月のことだ。以降、5か月近い政治危機が続いている。
2月4日、ソウルで開かれた朴槿恵大統領支持派の集会に出席した与党セヌリ党の議員(手前)ら(聯合=共同)
2月4日、ソウルで開かれた朴槿恵大統領支持派の集会に出席した与党セヌリ党の議員(手前)ら(聯合=共同)
 朴氏のコラムは冒頭から〈大統領の『ヌード風刺』は芸術などではなく、政治の現実を表すスキャンダルだ。政治はまともでない〉と激しく切り捨てる。これは1月20日から韓国の国会内で開かれた展示会で野党・「共に民主党」議員によって掲げられた、マネの名画「オランピア」をパロディーした作品をめぐるドタバタを指す。

 娼婦とされるベッドに横たわった全裸の女性の顔が朴大統領に差し替えられ、使用人の黒人女性は崔順実氏の顔をしている。使用人が持つお盆の上には美容注射を好んだとする朴大統領への風刺で、注射器が載せられている。

 ちなみに筆者もこの作品を見たが、完全に“アウト”であった。当時、与党のセヌリ党が分裂し、共に民主党が第一党に躍り出たこともあり、同党の驕りを示す一例と言える。