2017年03月13日 10:57 公開

米共和党のスティーブ・キング下院議員(アイオワ州選出)は12日、オランダの反イスラム政治家、ヘルト・ウィルダース氏をツイッターで支持した。民主党関係者を中心に大勢が発言を糾弾する一方で、共和党関係者の反応が注目されている。

キング下院議員は、「ウィルダースは文化と社会の人口構成は我々の宿命だと理解している。他人の赤ちゃんで自分たちの文明を元に戻すことはできない」とツイートした

下院議員は、米国で生まれれば米国の市民権を得られる出生地主義に強く反対している。出生地主義をとる米国では、不法移民の子供でも米国内で生まれれば米国市民となる。

この出生地主義を保障する合衆国憲法修正第14条について、キング議員は大胆な解釈変更を強く求め、不法移民の子供に米国旅券を与えないよう運動してきた。

キング下院議員のツイートについて、白人至上主義団体クー・クラックス・クラン(KKK)の元指導者デイビッド・デューク氏は、議員の選挙区では「正気がすべて勝っている」と支持を表明。さらに「スティーブ・キングに神の祝福を」とツイートした。

一方で、「白人ナショナリズムを公然と売り物にしている」など、下院議員のツイートへの批判も多く、クリントン元大統領夫妻の娘チェルシーさんは、「下院議員は明らかに、皆の子供すべてを、つまり皆の子供と見なさないのですね」とツイート。「特にプリム(訳注・旧約聖書でユダヤ人が虐殺を逃れた故事にちなむ祭り)にそんなことを言うとは、特に皮肉で、辛いことです」と書いた。

米中央情報局(CIA)出身で昨年の大統領選に無所属候補として出馬した、エバン・マクマリン氏は、キング下院議員が「アメリカらしからぬ白人ナショナリズムを推進している。彼の差別意識を、誰か共和党の下院議員は非難するだろうか」とツイートした。

バラク・オバマ前大統領の戦略・広報顧問だったダン・ファイファー氏は、「選挙以来、予測ごっこは止めていたのだが、これについてはまた予測してみる。スティーブ・キングを共和党幹部は非難しないだろう」とツイートした。

今年1月に引退したリード・リブル下院議員(共和党、ウィスコンシン州選出)は、キング議員に返信する形で、「人種のるつぼと200年の米国史はそれでおしまいだな。ひどい」とツイートした。

キング議員は昨年、BBCの取材に対して、今後何年にもわたり「何百人」もの人が米国を「違法かつ不法に」入国するだろうし、その人たちの「出生率は米国市民の2倍以上だ」と述べていた。

「その連中の子供たちが全員、市民になるなど、修正第14条を批准した人たちの想像の範囲を超えていた」と議員は主張していた。

ウィルダース氏が率いるオランダの自由党は、15日投開票の総選挙で健闘が予想されている。度重なる殺害予告を受けているウィルダース氏は、10年以上前から常時、警察の警護を受けている。

オランダ国内のモロッコ人の数を減らすと演説で約束したのは特定の民族に対する憎悪扇動だとして、昨年に有罪判決を受けたが、具体的な処罰は与えられていない。

トランプ政権の上級戦略官、スティーブ・バノン氏が率いた右派メディア「ブライトバート」はしばしば、ウィルダース氏を称賛してきた。仏国民戦線のマリーヌ・ル・ペン代表や、独「ドイツのための選択肢(AfD)」のフラウケ・ペトリー代表も、同様にウィルダース氏を支持している。

(英語記事 Steve King: Geert Wilders tweet sparks a social media backlash