2017年03月14日 12:03 公開

英スコットランドのニコラ・スタージョン自治政府首相は13日、スコットランド独立の是非を問う2度目の住民投票実施を要求する方針を表明した。スタージョン氏は、2018年秋から翌年春までの間に、投票を実施したいと述べた。同じ時期には、英国の欧州連合(EU)離脱交渉も決着する見込みとなっている。

自治政府首相は、英国がブレグジット(英国のEU離脱)を選んだ状況では、スコットランドの利益を守るために住民投票が必要だと説明した。

独立の是非について法的拘束力のある住民投票を実施するには、英政府の認可が必要。スタージョン氏は来週21日にも、この認可を英議会に求める権限を、スコットランド議会に要請する方針。

テリーザ・メイ英首相はこれまで、住民投票実施を許可するかどうか、言明を避けてきた。

スタージョン氏の発表を受けてメイ氏は、2度目の住民投票を行えばスコットランドは「不確実な状態と分断」へ向かってしまうと苦言。スコットランドの大半の住民は、独立についてまた投票したいとは思っていないはずだと強調した。

メイ首相はさらに、「SNP(スコットランド国民党)がきょう示した視野狭窄(しやきょうさく)ぶりは、非常に残念だ」と付け足し、「この国の未来を政争の具にするのではなく、スコットランド政府はむしろ、スコットランドの人々に良い政府と公共サービスを提供することに集中するべきだ。政治はゲームではない」と批判した。

しかし、エジンバラの自治政府首相公邸ブート・ハウスで会見したスタージョン氏は、「ハード・ブレグジット」か独立国家となるか、スコットランドの人々に選択肢を与えなくてはならないと強調した。

スコットランド自治政府はこれまでに、仮に英国が欧州単一市場を離脱したとしてもスコットランドだけは残る提案を公表。一方のメイ首相は、単一市場離脱を表明している。

スタージョン氏は、英政府がブレグジット投票以降、「妥協と合意に向けて一寸たりとも動こうとしなかった」と批判。ブレグジット投票でスコットランドは、62%がEU残留を支持。38%が離脱を支持した。これに対して英国全体では、52%が離脱を支持した。

自治政府首相はさらに、スコットランドが「きわめて重要な交差路」を前にしていると述べた。今後も英政府との妥協を探っていくつもりだと強調しつつも、「このプロセスの最後でスコットランドにきちんと選択肢があるようにするため、必要な策を講じていく」と表明。

「ハード・ブレグジットに向けて英国の後をついていくのか、それとも英国のほかの地域と対等な本物のパートナーシップを確保し、欧州と自分たち独自の関係を確保することができる、そういう独立国家になるのか」、スコットランド住民が選択できるようにする必要があると、スタージョン氏は強調した。

ブレグジットについては13日夜、英上院がブレグジット法案を可決。英政府はこれによって、EU基本条約(リスボン条約)第50条に基づき、離脱交渉の開始をEUに通告できることになる。

2014年9月のスコットランド住民投票では、独立反対が55%、賛成が45%だった。

スタージョン氏が住民投票実施に向けたスコットランド議会の支持を得るには、独立派のスコットランド緑の党の票が必要で、同党幹部はすでにスタージョン氏の発言を支持している。

一方で、独立に反対するスコットランド保守党のルース・デイビッドソン代表は、スタージョン氏が「まったく無責任」で、「スコットランド全体の首相として行動するのを、すっかり止めてしまった」と批判。スコットランドの住民は住民投票の「分断に戻りたくない」上に、SNPは2014年の住民投票が「一世一代」のものだと約束していたはずだと述べた。

スコットランド労働党のケジア・ドゥグデール代表も、スコットランドはすでに「十分、分断している」と指摘。「また分断されたくないし、独立のための住民投票をまたやれば、まさしく分断が繰り返される」と批判した。

一方で、労働党のジェレミー・コービン党首は、前回に立て続いて住民投票を行うのは賢明ではなく、スコットランド議会で労働党は反対するし、実際に住民投票が行われるとなれば労働党は「国を分断すべきではない」という考えから独立に反対するものの、実施要請を労働党として阻止するつもりはないと述べた。

スコットランド自由民主党のウィリー・レニー代表は、スタージョン氏率いるSNPが「何カ月も前からこの発表に向けて準備を重ね」、「2014年の投票は一世一代のものだという約束を無視する方法を何として探し出す」つもりだったと批判。「国を分断する住民投票の再実施について、世論の広い支持は存在しない」と述べた。

(英語記事 Scottish independence: Nicola Sturgeon to seek second referendum