第二次世界大戦中の日本が軍事優先の国であったの国家予算の割合を見ても否定できないところだが、日本が軍事優先国家になったのは、せいぜい昭和7年に起きた「5・15事件」以降である(昭和11年の「2・26事件」により、その傾向は一層顕著になった)。対して、教育勅語が発布されたのは明治23年だ。この事一つを取ってみても、教育勅語と「戦前の軍国主義」とは何の関係もないのは明白である。しかし、日教組教員には、歴史的事実より彼らの「正しい歴史認識」の方が優先するために、「戦前は教育勅語に基づいて軍国主義的な教育が行われていた」と平気で嘘を教え続けている。

 最も深刻なのが、現代の国際問題について反日国家を「善」と捉え、彼らの主張に迎合している点である。朝日新聞の虚偽報道により世界に広がった「従軍慰安婦問題」を歴史的事実として教えるのはもちろん、日教組の下部団体である北海道教職員組合では、島根県竹島の帰属について「歴史的事実を冷静に読めば韓国の主張は明確に事実に立脚している。島根県などが竹島領有権を主張する行為は日本の侵略と植民地支配を正当化するきわめて不当な行為だ」と機関紙『北教』で主張する始末だ。ちなみに、竹島領有について韓国の主張に何の根拠もないのは言うまでもないが、日本はそもそも韓国を併合したのであって侵略していないのだから、北海道教職員組合の主張は何から何まで間違っている。その間違った現状認識と歴史認識に基づいて、きょうもどこかで子供たちが「洗脳」されていると思うと、ぞっとせざるを得ない。

 こうしてみると、力が衰えたとはいえ、日教組の害悪はまだまだ健在だ。テレビ報道を見ても、多くの政治家や評論家が、森友学園問題で何の疑問もなく「教育勅語は戦前の軍国主義教育の賜物であり」と話していた。我々日本人はいまだに日教組教育に毒され、その呪縛から解放されていない。

国有地売却や小学校認可の問題を受け会見する森友学園の籠池泰典理事長
=3月10日、大阪市淀川区(柿平博文撮影)
国有地売却や小学校認可の問題を受け会見する森友学園の籠池泰典理事長 =3月10日、大阪市淀川区(柿平博文撮影)
 最後に森友学園問題に対する私見を述べておきたい。これについての報道、とりわけ地上波テレビは、次元の異なる問題をあえて同時に語る事で、小学校認可問題を「倒閣運動」に利用しようとする意図が見え、極めて不公正な報道だと感じた。

 森友学園が、①小学校認可に関連して不正を働いた疑いがあること②塚本幼稚園で教育勅語を使用していたこと③幼稚園児が安倍政権を礼賛していたこと―は全て別次元の問題である。①を報道するのはマスコミの本業だが、②は私立学校の教育として全く自由である。「現行憲法の価値観と一致しない部分があるから教えてはならない」とテレビで主張するのは、それこそ「報道ファシズム」ではないだろうか。二度とこのような不公正な報道がなされないよう監督官庁による厳しい指導が必要だと考える。③は教育基本法14条(特定政党支持の禁止)に照らし好ましくないが、この点については既に理事長が反省の弁を表明している。

 私自身は、教育勅語を暗唱する教育をよしとはしないので、森友学園理事長とは教育観を異にしている。多くの保守論客が言うように教育勅語には現在でも通用する価値観が多々あるが、「天皇の忠臣」という価値観が平成の世に適合するとは思えない。

 それでも、森友学園の教育は守られるべきだ。私学における多様な教育を認めることは、デモクラシー国家において当然の施策であり、日教組教育の後遺症に苦しむ我々日本人には不可欠だからである。