2017年03月16日 10:10 公開

オランダで15日、総選挙(議会定数150)が行われ、開票がほぼ終わった状態でマルク・ルッテ首相率いる自由民主国民党(VVD)が最多の33議席を獲得したことが判明した。欧州連合(EU)離脱を主張し、移民受け入れに反対する右派ゲルト・ウィルダース氏の自由党(PVV)は、20議席に留まった。

開票率約90%以上の16日早朝現在、VVDは150議席中33議席を獲得。8議席を失った。

反イスラムを掲げたPVVは2位で20議席と、5議席増やした。キリスト教民主勢力(CDA)と民主66(D66)が、それぞれ19議席を獲得する見通し。PVVは世論調査では長く優勢だったが、投票日直前になって失速していた。

「グリーン・レフト」党も健闘し、前回の4議席から14議席へと勢力を拡大。一方で、これまでVVDと連立を組んでいた労働党は、38議席から9議席へと大幅に後退した。

投票率は80%と過去30年で最高。この高い投票率が、中道右派の与党VVDをはじめ欧州連合(EU)を支持する政党に有利に働いたのではとみられている。

3期続投が決まったルッテ首相は「今日は民主主義を祝う日だった」と勝利宣言し、オランダは「誤った形の大衆迎合主義に『ちょっと待って!』と言った」のだと強調。「これまでの方向性で進んでいきたい。安全と安定と繁栄に向けて」。

VVDは前回選挙よりもわずかに議席を減らしたが、選挙前にはウィルダース氏率いるPVVに大敗するのではないかと予測されていた。

一方でウィルダース氏は、「これで自分はおしまいではない」とルッテ首相に警告した。

ウィルダース氏は以前、「愛国者の革命」は続くと述べ、「魔法使いは瓶に戻ったりしない」と右翼運動の継続を主張。PVVはEU離脱、コーラン禁止、モスク(イスラム教礼拝所)の閉鎖を主張していた。

各党の得票率に応じて議席は配分されるため、VVDは他の党と連立政権を組む必要がある。これまで自由党との連立はあり得ないと排除してきたが、共に親EU姿勢のCDAとD66については連立の可能性を残している。

CDAは自分たちの得票数に大いに満足しており、連立形成に協力していきたいと表明した。

VVDが過半数を獲得するには、少なくともほかに3党と連立を組む必要がある。このため少数政党が、政権の行方を決める力を持つ。

労働党の苦戦について専門家たちは、連立政権で緊縮財政策の可決に協力したせいで、従来の支持者が反発したからだろうとみている。

労働党のロデウェイク・アッシャー党首は、「辛い夜だ。信じられないほど残念だ。党の再建が今日から始まる」と述べた。

オランダ総選挙の展開は、EU加盟国の間で大衆迎合主義が選挙結果にどう影響するかを測る指標になり得ると、大勢に注目されていた。

フランスでは4月に大統領選の初回投票が行われる。ドイツでは9月に総選挙が予定されている。

ドイツのアンゲラ・メルケル首相はルッテ首相に電話で祝意を伝えた。ルクセンブルクのグザビエ・ベッテル首相も、ツイッターでルッテ首相を祝福した。

年初まで欧州議会議長だった独社会民主党(SPD)のマルティン・シュルツ氏は、ウィルダース氏の党が敗れて「ホッとした」とツイート。「開かれた自由な欧州のために、闘い続けなくては!」と重ねた。

(英語記事 Dutch election: PM Rutte sees off anti-EU Wilders challenge