では、この150万円の壁に引き上げた給与所得控除は効果があるのか。そもそも非正規、パートタイマーの年収は200万円を超えることは極めて難しい。最低時給1000円で8時間、20日働き、192万円。4時間なら、96万円。150万円の壁だから、6時間平均で働けるのか。パートのシフトを考えたら現実的ではない。

 サービス産業がパートの場合は多く締めるが、昼時と夕方、夜のシフトを考えると、10時から6時間だと組みにくい。もちろん、人手が不足しているので6時間も考えざるを得ないだろうが、扶養世帯の女性が6時間労働って、家事等を考えた場合にも効果は限定的ではないだろうか。

 ということで、4時間から5時間のパートの人を、契約社員状況までまずは引き上げたくなる仕組みを作るインセンティブが第一のバーなら、思い切って年収200万円を所得控除のバーとして引き上げてみてはどうだろうか。

 これは積極的な案ではなく、折衷案でという現実的な判断を踏まえた場合の提言である。社会保険のバーは、200万円までは選択式でいいようにも見える。または、こちらは、強制的な社会保険制度の加入を義務化するなら年金のみは必須という、セパレート的な政策案も一つかもしれない。

 個人的には、年金は一旦解散し、シンガポール方式の確定拠出年金政府管理型のような制度にするなら社会保険は全加入でも問題ないとは思っている。

 次に、そもそも女性の就労率の増加、M字カーブ(日本人女性の年齢階級別労働力率のグラフ)の解消という点については、すでにM字カーブは、アメリカと変わりはなくなってきており、限界が近い。あとは、女性一人当たりの所得をいかに引き上げるかだ。
※写真はイメージ
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 正社員比率が4割程度ということで、世帯収入が同一賃金同一労働で変われば引き上がると思いたいが、こちらも実効性には疑問符が付く。そこで、給与所得控除に逆M字カーブを作ってみてはどうかという折衷案も出してみたい。

 200万円までの非正規労働者は給与所得控除そのまま38万円で、200万円以上の正社員になると、給与所得控除は76万円と倍増させる。さらに、労使折半の会社負担分は、この制度の対象者には減免する。あるいは、250万円までは減免する。