私と内田氏の因縁の始まりは、副知事就任直後の夏に断行した参議院の議員宿舎建設の中止です。紀尾井町の森をつぶして豪華な宿舎を新たに建築する必要性を感じなかったのです。でも、そこは内田氏の本拠地の千代田区。この一件で内田氏の怒りを買うことになってしまった。
 
 東京都選出の自民党の国会議員や都議会議員、区議会議員の公認権は都連幹事長だった内田氏が握っており、さらに都政において問題なのは、内田氏と役人が知事に話をする前に実体として物事を決めてしまっているというブラックボックスが日常化していた。
 
 それから石原さんは右、朝日は左という単純な図式で、朝日新聞はイデオロギー的に石原さんが嫌いで、批判を頻繁にやっていた。批判記事を書くため朝日新聞はどこに取材に行くかというと内田氏のところであったりする。内田氏はいい情報をくれる取材ソースだったのです。

 私の徳洲会問題は朝日が火をつけた。お金を借りて返しただけなのに、贈収賄だとやられた。あとでそうじゃないとわかるんですけど、炎上した。背後にどういう勢力がいたのかわかるでしょう。

「内田茂氏が生き延びていく可能性はある」(撮影・瀧)
「内田茂氏が生き延びていく可能性はある」(瀧誠四郎撮影)
 そんな内田氏を白日にさらすきっかけとなったのが、昨年7月に行われた都知事選の告示前日に「NewsPicks」(ニュース共有サービス)で掲載された私のインタビューだった。その中で私は2011年7月1日に自殺した自民党都議の樺山卓司氏の遺書を明らかにしたんです。その遺書を見れば、内田氏からいじめを受けていたことがわかります。

 選挙中ということもあり、中立公平の立場から新聞と地上派テレビは取り上げなかった。ただ、いわゆる「後追い」だけど、日刊ゲンダイと夕刊フジがこの問題を取り上げ、さらに投票日の3日前に週刊文春が「都議会のドン 内田茂『黒歴史』」とスクープを出して、ぎりぎり間に合った。

 こういった報道の後押しもあって知事選は小池百合子氏の圧勝に終わり、今年2月に千代田区長選で大敗した内田氏は自ら次の都議選に出ないことを表明した。これで内田氏は終わりだと思った人も多いと思うけど、実は政界引退はきっぱり否定しているんですよ。

 今回、都議選に負けそうだから出ないと言っているが、今年7月の選挙で「都民ファーストの会」が勝ったとしても、自民党はなくなるわけじゃない。4年後の2021年の都議選で再び自民党が盛り返し、生き延びていく可能性だってあるわけです。2009年の選挙で内田氏は落選したのですが、都議会に個室までもって都連幹事長を続けていたのですから。