これと較べ、小池都政は発足から1年足らずなので評価はむずかしいが、期間限定でいうなら、この間の活躍ぶりは大変なものだった。昨年6月までの舛添都政とは全く違う、透明度の高い“あおぞら都政”をつくり出した。豊洲市場の移転中止、五輪施設の経費見直し、都議会の政党復活予算廃止など、様々な問題を提起しオープンな議論を進めた。

 この7月に行われる都議会選挙も早々から話題にし、現在都議会で多数を占める自民党を大きく切り崩そうとの動きを強める。これまでの自民党都連をブラックボックスと呼ぶなど、既存の体制を批判し、その改革に挑む小池氏の姿に多くは拍手を送ってきた。

 これまでの取り組みで一番評価できるのは、政策の決定過程を公開するなど「都政の見える化」を図ってきたことだろう。負の遺産とも思える都政の「閉じた体質」、例えば豊洲市場の盛り土問題について、事実と違う説明をし続けてきた。こうした隠ぺい体質を無責任体制と呼び、幹部職員を処分し、丁寧に事実を説明するなど、「問題提起型」の都政として成功してきたと言えよう。
定例会見で説明する小池百合子都知事(菊本和人撮影)
定例会見で説明する小池百合子都知事(菊本和人撮影)
 17年度に向け待機児童の解消へ手を打ち、国際金融都市をめざす有識者会議も立ち上げ、無電柱化に向けた条例化。予算編成でも既存の事業にメスを入れる一方、私立高校無償化など新たな施策にも手厚くカネを配分している。東京都に必要なのは、「既得権益や慣習に囚われることなく、まさに都民ファーストの考え方で都政運営を行うことだ」と第1定例会で政治信条を披歴するなど、絶好調の様相で小池都政は動いている。
 
 しかし、問題はこれからだ。都民ファーストと言いながら〝メディアファースト〟ではないか。都政の「見える化」というが、知事の活動を“見せる化”しているだけではないか。いろいろ批判もある。基本的に言うなら、これまでの問題提起型の都政から問題解決型の都政にいつ切り替えることができるかだ。もし本格的に「東京大改革」を旗印に一定期間小池都政時代をつくろうとするなら、問題とすべき領域は大きく3つある。

 第1は、「都政の体質改善」を進めること。これはすでに小池知事が先頭に立って都政改革本部を立ち上げ、改革の1丁目1番地として取り組んでいる領域だ。情報公開ひとつ見ても「のり弁」(黒塗り)と称される秘密体質が蔓延し、役人の・役人による・役人のための行政運営がはびこっている。この実態は都民ファーストから程遠いものだ。