山田順(ジャーナリスト)

 このところ、ずっと「森友学園ドラマ」をウオッチングしてきたが、「忖度」という言葉が登場したのには本当に驚いた。 

 先の国会の証人喚問で、籠池泰典理事長はじつにいろいろな言い方で、今回の認可の経緯を説明した。「神風が吹いた」「大きな力が働いた」「はしごをかけてもらった」「口利きがあったと思います」などである。そして、飛び出したのが、「忖度」だ。

 そのくだりは、国有地の売買をめぐり、安倍晋三首相の口利きがあったかを問われた時で、籠池理事長はこう答えたのである。

「口利きはしていない。忖度をしたということでしょう」

 さらに、現在、自分に逆風が吹いていることに対しても「今度は逆の忖度をしているということでしょう」と言い、忖度をした具体名を挙げるよう求められると、「財務省の官僚の方々でしょう」と言ったのである。
3月23日、日本外国特派員協会で記者会見する籠池泰典氏(手前から3人目)
3月23日、日本外国特派員協会で記者会見する籠池泰典氏(手前から3人目)
 忖度とは、辞書的に言うと「他人の心を推し測ること」となり、「相手の真意を忖度する」というような使い方をする。すると、今回の問題は、役人たちが安倍首相の心を推し測った結果、こうなったということになる。つまり、真犯人は「忖度」ということになる。

 この2週間、「森友学園ドラマ」に大きな貢献をして、私たちに「忖度」を知らしめてくれたのは、菅野完氏と「週刊新潮」である。菅野氏がすべての保守勢力から見捨てられた籠池ファミリーを動かさなかったら、こうはいかなかった。これは、どんな既成メディアの記者にもできなかったことだ。

 また、「週刊新潮」は、昭恵夫人がじつは「私人」ではないこと、しかも夫とともに大きな影響力を持っていることを浮き彫りにする記事を掲載した。

 先々週は、「第2の森友学園問題」とされる「加計学園」の獣医学部新設の認可や、安倍首相の遠戚・斎木陽平氏が代表を務める団体が主催する「全国高校生未来会議」への支援について、昭恵夫人から文科省へ要請があったことを明らかにした。

 また、先週は、なんとタイトルが「死ねばモリトモ」で、NGOの「日本国際民間協力会」理事の松井三郎・京都大学名誉教授が、昭恵夫人の仲介で外務省から8000万円の資金を調達したと講演で述べていたことを書いている。

 これらのことは、籠池理事長が言った「忖度をしたということでしょう」であり、どう読んでも同義だと思われる。