森友学園問題のキーマンといえば籠池泰典・理事長の夫人で「女帝」と呼ばれる諄子(じゅんこ)氏だ。

 国有地問題発覚後、最初にメディアに夫婦で登場した本誌・週刊ポストの独占インタビュー(3月3日号)でも、諄子氏は籠池氏の発言が言葉足らずと見るや、横から口を挟んでフォローする世話女房ぶりを再三発揮した。実は、この席で夫妻は証人喚問では語られない事実を本誌・週刊ポストに証言していたのだ。紙幅の都合で報じ切れなかった秘話を含めて夫婦の独占証言を改めて紹介する。

 インタビューの中で諄子氏の口調が感情的になったのは、質問が稲田朋美・防衛相に及んだときだ。

「アレ(稲田氏)はあかんなあ。言われたことをやっているという伝書鳩みたいな人やから、防衛大臣みたいな器やないんですよ。主人とケンカしたんですよ」
菅野完氏からの取材を受けた森友学園の籠池泰典理事長(右)と妻の諄子氏=3月15日、東京都港区(宮崎瑞穂撮影)
菅野完氏からの取材を受けた森友学園の籠池泰典理事長(右)と妻の諄子氏=3月15日、東京都港区(宮崎瑞穂撮影)
 籠池氏が慌てて妻の言葉を止めた。「それはま、ええやないの」──。

 稲田氏が議員になる前の2004年、夫が経営する法律事務所が森友学園と顧問契約を結び、森友側が起こした民事訴訟に稲田氏自身が代理人弁護士として法廷に立っていたことも明らかになった。稲田氏は籠池氏との関係について、「10年ほど前に大変失礼なことをされたことから、私からは関係を切っている」と説明している。

 しかし、諄子氏は稲田氏の名前を聞くと今も腹の虫が治まらないようだ。籠池氏の制止を聞かずにまくし立てるように語った。

「稲田朋美さんのパーティーやったかな。大阪のA(インタビューでは実名)代議士が壇上にあがっていて、『息子が稲田さんのお子さんと同じ学校で』とか、しょうもない話をするんですよ。私はガマンしきれなくなって、壇上に向かって『口だけ言うなや』と言うてやったんです。そうしたら大阪府議が飛んできて、『こういう席で議員に対して失礼やないか』とか、言われたんです。

 そのあとですよ。A代議士の事務所から、稲田さんの事務所に電話があったそうなんです。それで、稲田さんのご主人から事務所に一度来てほしいという話があったんです。私は、『なんで行かんといけんの?』って言いました」

 どうやらこの事件が稲田氏の言う「大変失礼なこと」に関係していたようだ。籠池夫妻の証言は、大阪維新の会にも及んだ。一連の森友学園問題について、「事実上は僕の知事時代に進んでいたこと」と自らの責任にも言及した橋下徹氏と、後任の松井一郎府知事についても、籠池夫妻はこう評していた。

「橋下さんは快男児。知事の頃から面識はあります。松井さんは保守ですからね。だから私たちとも通じるものがあります」

 話は憲法改正、拉致問題など多岐にわたったが、中でも瑞穂の國記念小學院の建設費についての籠池氏の次の言葉が印象的だった。

「私は昭和28年生まれの64歳です。小学校は27年ローンなんですよ。91歳までかかってやっと完済。だから私は長生きしなくちゃいかんのです」

 その小学校は完成を目前にして設立認可取り下げに追い込まれた。そして交わっていた政治家、称賛していた政治家は逃げるように夫妻との過去を隠している。


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