「歴史通」が縁となって実現した北海道日本ハムファイターズの栗山英樹・監督と、本誌連載「逆説の日本史」著者の作家・井沢元彦氏による対談。そのなかから、戦国武将では豊臣秀吉の家臣、大谷吉継が好きだという栗山氏に、井沢元彦氏が好きな野球監督についても聞いた。
2016年10月25日、日本シリーズ第3戦の延長十回、サヨナラ安打を放った大谷翔平(左)を出迎える日本ハムの栗山英樹監督=札幌ドーム(撮影・高橋茂夫)
2016年10月25日、日本シリーズ第3戦の延長十回、サヨナラ安打を放った大谷翔平(左)を出迎える日本ハムの栗山英樹監督=札幌ドーム(撮影・高橋茂夫)
井沢元彦(以下、井沢):野球監督ではどうですか? 監督の采配を見ると、「三原マジック」と呼ばれた三原脩さんが好きなのかなと勝手に想像していたんですが。

栗山英樹(以下、栗山):ええ、大好きです。直接話したことはありませんが、自分が目指す理想の野球人は、やはり三原さんですね。長嶋(茂雄)さんを野次った自分のチームの選手に「プロ野球は長嶋で成り立ってるんだ」と怒鳴りつけたとか、プロ野球全体のことをすごく意識されていた方なんですね。

井沢:奇手奇策の人とも呼ばれますね。

栗山:三原さんが生きておられたら、翔平を二刀流で起用したことを「おまえ、よくやったな」って褒めてもらえるんじゃないかと思っています。

 三原さんの教え子だった仰木(彬)さんもそうですけど、名将と言われる監督は、みんなから「なんか知らないけど、監督のやることは当たる」と言われているんですよね。それも実は、すべてデータに基づいているんだと思いますが。

井沢:仰木監督も素晴らしいですよね。野茂(英雄)のピッチングフォームを見て、みんなダメだって言ったけど、あの人だけはいいと言ったわけでしょう。イチローもそうですよね。

栗山:野茂のフォームは普通、いじりたくなりますよね(笑い)。実はかつて仰木さんがそうしていたように、毎年、三原さんの墓参りをしてからキャンプインしていまして、今年もこれから行く予定です。

井沢:いよいよシーズンが始まりますが、「日本ハム・大谷翔平」を日本で見られる最後の年になりそうですね。

栗山:無理をさせないようにという前提ですが、翔平の本当の凄さを示してもう一度日本一になりたい。

井沢:二刀流を続けるということですね。

栗山:今までとは違う使い方がないかなとも考えています。去年は1か月半マウンドから離れて、バットでチームの勝利に貢献してくれた。もちろん先発はやってもらうけど、バランスをもう少し考えて、バッターとしてもう少し出せる形はないかと。

井沢:敵も研究してきますよね。

栗山:だからこそ、相手が“こんな使い方をするのか!?”と意表をつく起用法を考えたい。

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