江田憲司(維新の党共同代表)
昭和31年、岡山県生まれ。東京大学法学部卒。通商産業省(現経済産業省)入省。平成14年衆議院議員(補選)初当選、17年衆議院議員2回目の当選、21年8月みんなの党結成、25年12月みんなの党離党、同月結いの党代表。26年9月維新の党共同代表。


 驚愕の数字が出た。本日(11月17日)発表された7~9月期のGDPが、安倍首相にとっては想定外のマイナス成長(▼0.4%)となったのである。今年の経済成長を、増税の影響を払しょくしてプラスマイナスゼロにするためには、7~9月期は3.8%のプラス成長が必要だったにもかかわらず、である。この数字がいかに深刻な事態を意味しているかおわかりいただけるだろう。残念ながら、私をはじめ維新の党が警鐘を鳴らしてきた通り、その悪い予想が当たってしまった。

 最大の要因は、4月の消費増税(5%→8%)の失敗である。アベノミクスというアクセルを踏んでいる時に増税というブレーキを同時にかけ、GDPの6割を占める「消費」を冷え込ませてしまった。財務省の口車に乗って、暖房と冷房を同時にかけてしまう愚の骨頂を犯してしまったのだ。高度な政治判断で、アベノミクスとはベクトルの違う、異質の分子を紛れ込ませてしまったのだから、当然の結果ともいえる。

 また、これも累次指摘してきたことだが、アベノミクス肝心要の第三の矢、規制改革をはじめとした成長戦略が、既得権益というしがらみで骨抜きにされてしまった。これは自民党の宿啞(しゅくあ)ともいうべき問題である。そう、既得権益やしがらみから多くの票やお金をもらっている自民党に本当の改革などできはしないのだ。これでは景気が本格的に回復しようがない。

 おまけに、第二の矢、財政出動も「公共事業のバラマキ」であらぬ方向に飛んでしまった。今や、例年5兆円規模だった公共事業は、累次の補正予算や景気対策で年間10兆円と二倍までふくらみ、消化しきれない予算が毎年2~4兆円余り繰り越されている。これでは何のための消費増税だったのかわけがわからなくなる。

 こうした深刻な経済状況の中で、安倍首相は本当に解散をするのだろうか? 国政の課題は山積である。衆院議員の任期はまだ二年以上残っている。そうした中で、この師走の忙しい中で600億円~700億円の税金をかけて選挙を行う理由があるのか?! 

 それが、このままいくとさらに景気が悪化して、アベノミクスの正体がバレバレになるから今のうちというなら、それは「消費増税失敗解散」「経済失政隠し解散」だろう。来年になると、「集団的自衛権」や「原発再稼働」といった不人気な政策も強行しなければならない、そうなれば安倍政権の支持率も落ちる、だから野党の選挙準備も整っていない今のうち、というなら、究極の「自己都合」「自己チュウ」解散だろう。さらに、前閣僚へ司直の手が伸び12月にもその結論がでる、だからそれを選挙というベールで覆い隠そうというなら「疑惑隠し解散」でもある。そんなことをしている場合では、絶対にない!

 安倍首相は、消費増税10%を先送りする方針と聞く。そして、それを解散の大義名分にしたいようだ。しかし、そうなら、維新の党がすでに提出した「消費税10%増税凍結法案」に賛成すれば良いだけの話だ。そして、国会を引き続き開き、本格的に景気を回復軌道に乗せるために、どういう対策をとったら良いか、侃侃諤々国会で議論すれば良い。それが国民の負託にこたえる道だろう。そのために、維新の党としては引き続き、しがらみのない立場から、既得権益からフリーな立場から、規制改革をはじめとした成長戦略の断行を訴えていきたい。