渡邉哲也(経済評論家)

 森友学園をめぐる騒動が大きな話題になっている。しかし、問題点が明確ではなく、インターネットなどでは、一部の関係者や政治家の発言を裏取りせず、そのまま報じるメディアに対して強い不満の声も上がり始めている。当初、贈収賄事案のように報じられたこの問題であるが、籠池氏側から安倍総理などへの献金事実は確認できず、違法性が確認できない事態に陥ってしまっている。しかし、このような状態になっても、野党の一部は総理周辺の証人喚問を求め、政権への批判を繰り返している。

参院予算委の証人喚問で、本人確認のため挙手する籠池泰典氏=3月23日
参院予算委の証人喚問で、本人確認のため挙手する籠池泰典氏=3月23日
 また、当初の疑惑であった土地代金に関しても、産廃処理費用や周辺の土地の売買実態から見て、著しく安いわけではなく、逆に高いぐらいであるという意見も出始めている。また、産業廃棄物の処理に関しても、籠池氏側は適正だとしており、籠池氏の妻から安倍総理夫人に送られたメールでは、メディアへの証言者による捏造疑惑まで取り沙汰されている。

 一つはっきりしていることは、籠池氏が安倍総理の名前や陛下の名前を勝手に利用して献金を集めていた事実であり、この点に関しては、政治家側に責任を問うのは難しいといえる。つまり、政治家側に違法性が確認されない状況でありながら、まるで大きな問題であるかのように騒ぎ続け、一部のメディアはそれを煽ったわけである。そして、違法性を問えなくなった時、それを誤魔化すために多用されたのが「忖度(そんたく)」という言葉であり、それがまるで違法行為のように伝えられていることに大きな問題がある。

 わが国の憲法では、憲法16条により「何人も、損害の救済、公務員の罷免、法律、命令又は規則の制定、廃止又は改正その他の事項に関し、平穏に請願する権利を有し、何人も、かかる請願をしたためにいかなる差別待遇も受けない」と請願の権利を認めており、差別待遇すらも否定している。決して籠池氏を擁護するわけではないが、籠池氏も立派な日本国民であり、請願権を有しているのである。この点に関して、籠池氏やその請願を受けた政治家を責めるべきではない。