篠田博之(月刊「創」編集長)


 1月2日に東京メトロポリタンテレビジョン(MXテレビ)で放送された番組「ニュース女子」をめぐり、その番組内容が「沖縄ヘイト」だったとして大きな波紋を広げている。BPO(放送倫理・番組向上機構)が既に審議を始めており、いずれ何らかの見解が出されるだろう。また、当のMXテレビも検証番組を後日放送する予定のようだ。

 問題の番組を制作したDHCシアター(現DHCテレビジョン)は3月13日に検証番組をネットで放送したが、基本的に1月2日の番組は「問題ない」というスタンスだった。この検証番組がMXテレビで放送されなかったのは、BPOが審議を行っている時期に、その対象となっている番組を正当化するような放送はマズいと同局が考えたためだろう。

 この問題について、月刊『創』では香山リカさんが3月号、4月号で取り上げているし、私も「東京MXテレビ『沖縄ヘイト』と東京新聞めぐる議論」という記事を4月号で書いた。「ニュース女子」の司会を東京新聞論説委員(当時は論説副主幹)、長谷川幸洋氏が「肩書付き」で務め、東京新聞にも問題が飛び火しているためだ。

 私は東京新聞で20年以上も連載コラム「週刊誌を読む」を執筆していることもあって、この問題は当初から気になっていた。「ニュース女子」のどこが問題なのかということと、その騒動が飛び火した形の東京新聞の問題とは分けて考えなくてはいけないのだが、東京新聞にとってもこれはいささか深刻だと思う。

 発端となった「ニュース女子」の番組については、放送後早い時期にネットで見ていた。とにかく番組を見て、あまりにひどい内容に驚いた。沖縄の基地建設反対運動の人たちを悪意をもって揶揄し中傷するもので、ネットではよく見られる典型的な沖縄ヘイトだ。
機動隊員ともみ合うヘリパッド建設反対派の市民ら=2016年12月、沖縄県東村高江
機動隊員ともみ合うヘリパッド建設反対派の市民ら=2016年12月、沖縄県東村高江
 制作側はそうではないと言っているようだが、これが「沖縄ヘイト」に当たらないのならいったい何が、という感じだろう。今回は、地上波がそれを放送したことで大きな問題になったわけだ。しかも、波紋を広げたのは司会を長谷川氏が務め、ジャーナリストの須田慎一郎氏がコメンテーターになっていたからだった。

 この番組については、市民グループなどからも批判や抗議の声が上がり、日刊紙では朝日や毎日、そして東京新聞も早い時期から批判を展開した。例えば、1月7日の東京新聞特報面では「『沖縄ヘイト』まん延」と題して「ニュース女子」を批判。また11日付の特報面は「MXテレビ『ニュース女子』の中傷報道に批判 『沖縄ヘイト』堂々と カンパの思い踏みにじる」と題して、沖縄の基地反対派には日当が出ているといった「ニュース女子」での言説を検証取材し反論していた。

 ただ、後に問題になったのは、これらの記事の中で長谷川氏が「ニュース女子」の番組司会者をしていたことに全く触れていなかったことだ。