2017年04月17日 13:48 公開

自社社員を乗せるために搭乗していた乗客を無理やり引きずりおろした問題で批判を集める米ユナイテッド航空は16日、従業員の座席確保は出発の少なくとも1時間前に行うとの新方針を示した。

同社は新方針について、顧客サービスの向上が目的だと説明している。

今月9日にシカゴのオヘア国際空港で、ケンタッキー州ルイビル行きのユナイテッド航空3411便に乗っていたデイビッド・ダオ医師(69)は、オーバーブッキング(過剰予約)を理由に、空港の治安当局者から力ずくで降機させられ、その際に前歯2本を折り、鼻の骨を骨折する重傷を負った。

当時の状況を撮影した動画がソーシャルメディアなどで拡散され、動画を見た人々からユナイテッド航空に対する激しい非難の声が上がっていた。

ダオ医師の娘、クリスタル・ダオ・ペッパーさんは13日にシカゴで記者会見し、何が起きたか知った家族は「気分が悪くなった」と語っていた。

ダオ医師は、診察をしなくてはならない患者がいるため自宅に戻らなくてはいけないと語ったが、治安当局者によって機内通路を引きずられた上、飛行機から降ろされていた。

弁護士によると、ダオ医師が「(戦争時の)ベトナムを離れる時よりも怖ろしく苦しい体験だった」と話したという。

今回の件を受け、オヘア国際空港で抗議デモが行われたほか、ユナイテッド航空にとっては会社イメージが大きく傷つく結果となった。

問題が起きた後、ユナイテッド航空のオスカー・ムニョス最高経営責任者(CEO)が社内にあてたメールで、男性が「騒いでけんか腰だった」と書いていたのが明らかになり、事態をさらに悪化させた。また、社外への声明で同CEOは、「ユナイテッドの全員が困惑し動揺しています。乗客を振り替えなくてはならなかったことを謝罪します」と述べていた。

数日後、ムニョス氏の辞任を求めるオンライン署名が多数集まるなか、同氏は「恥ずかしい思いだ」と述べ、再発防止を約束した。

ユナイテッド航空は3411便の乗客全員に旅客代金の払い戻しをすると表明している。

(英語記事 United Airlines changes policy after 'horrific' passenger ordeal