それから、家にいなくとも荷物を受け取れる「宅配ロッカー」をもっと普及させるべきだろう。ヤマト運輸は、仏郵便機器大手、ネオポストと組んで22年までに駅や商業施設5千カ所に宅配ロッカーを設ける計画で、すでに200か所以上に設置している。JR東日本やセブン‐イレブン・ジャパンもロッカーの設置を進めている。

 ロッカー増加にはずみをつけるには、国の後押しが必要だろう。幸い、国は17年度から宅配ロッカー設置業者に費用の50%を補助する制度を始めた。

 この際、もう一歩進んで、新築のマンションに対して宅配ボックスの標準装備を義務付けてはどうだろう。それに、戸建て住宅の宅配ボックスにも補助金が検討されていいだろう。

都内のオフィスビルに置かれた宅配ロッカー。
荷物を通勤時に受け取れ、ユーザーにとっても利便性が高い
 その一方で、消費者の意識にも変化が求められる。生活の中に定着し、欠かせない宅配便を存続させるため、「居留守を使わない」「再配達について必ず受け取れる時間を指定する」など常識的な努力が求められる。それから、ヤマトの会員制サービス「クロネコメンバーズ」に登録すれば、LINE上で配達指定時間のやり取りができるなど、簡単に配達の効率化に寄与できるのだから、消費者もそれくらいの配慮をしてもいいのではないか。

 このような努力を積み重ねても、人口減少社会が続く限りは人手不足の解消が期待できない。今後もドライバー不足は続くだろう。

 となれば、頼みの綱は技術進化だ。すなわち、IoT(モノのインターネット)やAI(人工知能)など最先端技術を導入し、合理化、生産性向上を目指すのだ。物流倉庫へのロボット導入やピッキングの自動化などはもとより、長距離の幹線輸送においても、無人運転を目指した隊列自動走行の実証実験が2018年以降にスタートする。

 またヤマト運輸は、AIによる最適な配送ルートの割り出しのほか、宅配車の自動運転、ドローン配送など、マンパワーに頼らない新たな配送手段の開発を急いでいる。

 宅配便は今や、誰もがその恩恵を受ける水道やガス、電気にも匹敵するほどの「社会インフラ」である。ならば一層の技術進化を含め、維持に向けて多方面からの努力が求められてしかるべきである。