自己治癒力はバカにできない


――最近では副流煙を吸い込む2次喫煙だけでなく、壁や床に染み付いたたばこの残存成分が大気中に放出されて健康被害を引き起こす3次喫煙の害なるものまで、テレビの情報番組で取り上げられるようになりました。もちろん科学的には何も立証されていません。

 そんな害を立証できるわけがないですし、人の健康に影響するはずがないんですよ。だってこれだけ排気ガスを出す自動車が走るなかを人間は生きているんですから。仮に害のある物が体内に入ってきたら、それを自己免疫システムで防御しながら生きていくのが、いま生きている命という力強さなんですよ。

――害を及ぼす可能性のある物はすべて遠ざけるというのは、生物として生きることを否定しているのと同じですね。他人との接触や付き合いも危険ですし、あらゆるウィルスや各種のリスクが怖くて街も歩けません。

 僕は作家をしながらテレビ番組も制作して、時間に追われて仕事をしているうちに、39歳で胃がんになって胃の全摘手術を受けました。医師からは術後の抗がん剤治療の継続を勧められましたし、定期的に検診も受けてください、といわれました。でも抗がん剤はいっさい飲んでいないし、術後検診に行ったこともありません。もちろん医者の家に生まれて自分も医学部コースですから、近代医学は信じています。でも、個人の生き方として病気やケガをするたび医者に行くかというと、僕は倒れたときしか行きません。とにかく全部、辛抱して自分で治してきましたね。

――気力で病気もケガも治すような感じですか。

 気力って簡単にいいますけど、本当に気力があれば薬の100万倍効きますよ。気力をバカにしちゃいかんのです。生きる力というのは大したものですよ。

 たとえば動物の咬み傷は深いんです。獣の咬んだ歯は骨膜まで通ります。一年の半分を海外ロケで飛び回っていた当時、体に常時200から300の咬み傷がありました。それをいちいち消毒していたら、それこそ消毒の作用にやられて体がもちません。だから咬まれたときは「咬んだか? よしよし」って動物の頭を撫でて、傷口はそのまま放置。そこから菌が入ってきたら、僕の気力と体が菌に勝てばいいんです。(横を向いて)僕の首から顎までを見てください。ここに熊の歯が入って、顎を割られているんですよ。顎を割られて口が開かなくて、3カ月間、歯医者に行けませんでした。寝ていると出血して枕が血だらけになって、目覚めると血を吸った枕が重たくなっていた。それを見て僕は、これだけ出血したら細菌は全部外に流れていっただろう、ざまあみろと(笑)。結局、医者に行かずに治しましたね。人間の自己治癒力ってバカにできないんです。