バイプレーヤーの時代


――その後バイプレーヤーとして人気が急上昇しますね。最近ネットで見た「主役を食うほど名脇役だと思う俳優ランキング」では遠藤さんが2位に大差をつけて1位でした。

遠藤 本当ですか。

――2位がムロツヨシさん、以下、生瀬勝久さん、小日向文世さん、古田新太さんと続きます。個性的な俳優さんが注目を集めるようになったのはうれしいですね。

遠藤 いままで50代以上の俳優ってあまり話題にならなかったと思うんですけど、そういう世代にも興味を持ってくれるようになったんですかね。あ、でもムロツヨシ君はまだ40そこそこか。

――ご自身ではこの人気の理由はどこにあるとお考えですか。

遠藤 CMにも使ってもらえるようになったし、顔つきがいかつくて強面(こわもて)なのに、やることは真逆の三の線という使い方をしてくださることが多くなったというのはありますね。今はそういうものを求める時代になっているんじゃないですか。

――最近では大河ドラマ「真田丸」の上杉景勝が印象的でした。ちょっと気が弱いところもあって、これまでの景勝とはイメージが違いましたね。ご自分で役づくりをしたところはありましたか。

遠藤 あれは脚本の三谷幸喜さんがつくりだしたキャラクターです。上杉家に限らず、大半は三谷さんがつくり上げたイメージどおりにそれぞれの俳優が演じてああいう風になったって感じじゃないですか。

 俺には上杉景勝のイメージってなかったので、もちろん本番でデフォルメしてふくらませたところはありましたけど。たとえば堺雅人君の幸村に初めて直面したときの感情的な部分だったりとか、山本耕史君の石田三成が戦に飛び出そうとしたところを口だけじゃ止められないから抱きしめて押さえたりとか、そういう微妙なところを少しずつ足しましたが、基本的には三谷さんがつくり上げたキャラクターを忠実に演じたってことですね。

――三谷さんと組んだのは『ギャラクシー街道』(2015年公開。三谷幸喜・脚本監督)が最初ですか。

遠藤 それが初めてですね。その前に大河の話はあったんですけど、それが決まったとたんに『ギャラクシー街道』にも出てくれと言われて。実は今日も三谷さんの台本のスペシャルドラマを撮っていたんです。秋にオンエアされる予定ですが、まだ発表されていないので、タイトルとか内容は言えないんですけどね。

――秋には映画『ミックス。』も公開されます。卓球クラブの話だそうですが。

遠藤 その撮影もいま同時にやっています。新垣結衣ちゃんと瑛太君が主演でミックス(ダブルス)を組んで、いろんな人たちと一緒に卓球の全日本選手権出場をめざす。俺と田中美佐子さんが夫婦の役で、この夫婦は子供を亡くしていたり、ほかにも恋愛の悩みとか将来の目標とか、いろんなものを抱えた人たちが卓球を通して成長していくというストーリーです。

――個性的な俳優さんたちが注目を集めるようになったという話が出ましたが、ドラマ「バイプレーヤーズ~もしも6人の名脇役がシェアハウスで暮らしたら~」(テレビ東京・毎週金曜深夜0時12分)がいま話題になっていますね。遠藤さんほか、松重豊さん、大杉蓮さんなど文字どおり名バイプレーヤー6人が本人役で出演して、最後にトークのおまけがつく。

遠藤 業界の人が観てくれているようですね。あと、ネットで会話するのが好きな人たちのあいだで人気があると聞いています。

――出演している6人の俳優さんたちが「かわいい」というネット上の書き込みがずいぶんあります。なぜでしょうね。

遠藤 まったくわからないですね(笑)。

えんどう・けんいち 1961年6月28日、東京都生まれ。83年にNHK「壬生の恋歌」でドラマデビュー。映画初出演は88年公開の『メロドラマ』。02年には『DISTANCE』で第16回高崎映画祭最優秀助演男優賞を受賞。主な出演作は映画『クライマーズ・ハイ』『ギャラクシー街道』、ドラマ「白い春」「不毛地帯」「湯けむりスナイパー」「てっぱん」「民王」「お義父さんと呼ばせて」「真田丸」など。番組ナレーションやアニメの声優も務める。